ガソリンスタンドやカー用品店で勧められることの多いエンジンオイル交換。「必要性は何となく分かるけど、たくさん種類のあるオイルの中からどれを選べばいいかわからない」そんな人もいるのではないだろうか? そこで今回はエンジンオイルの選び方について見てみよう。

文:西川昇吾/写真:AdobeStock(トップ画像=Drazen@AdobeStock)

■オイルの各種表記の意味は?

多くのオイルはSAE規格と呼ばれるアメリカの規格での粘度表記がされている(ronstik@AdobeStock)

 オイルを選ぶ際に知っておきたいのが各種表記だ。オイルの表記で有名なのが粘度だ。

 多くのオイルはSAE規格と呼ばれるアメリカの規格での粘度表記がされている。「5W-30」とは「0W-20」といった表記をオイルのパッケージなどで目にすると思うが、基本的にこの数字が大きいほど粘度が高い、つまり固いオイルとなる。

「あれ?数字2つあるけど?」そんな声もあるだろう。Wの前についているのは低温冷間時つまりエンジンスタート時などエンジンが冷えている時の粘度だ。この数字が低いと始動性が良い。

 もう1つの数字はエンジンが暖まった状態でのオイル粘度を示している。この数字が高いとサーキットなどの高回転域を多用する走行で油膜が確実に保たれる。

 といったエンジン保護で選ぶ声もあったが、最近はエンジンに合わせてサーキット走行を考えているクルマでも粘度の低いオイルを選ぶこともある。

 そして粘度以外にエンジンオイルのグレードも存在する。API規格やILSAC規格、ディーゼルエンジン向けのJASO規格などがある。グレードの種類はオイルメーカーなどが提示しているグレード表を見た方が分かりやすいかと思うが、クルマの年式に応じてグレードが存在している形となっている。

 新しいグレードの方が燃費性能は排ガスの浄化性能、耐久性能などに優れているといった具合だ。

 例としてガソリンエンジン用の最新グレードはAPI規格で「SP」、ILSAC規格で「GF-6」となっている。オイルを選ぶ際にはこの辺りの情報を参考にして選ぶといいだろう。

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■どんなオイルを選べばいいの?

サーキット走行などを加味した非ハイブリッドのエンジン車でも、純正オイルよりもやたら粘度の高いオイルを入れるのは良くない

 オイルの種類の見方を理解したところで実際にオイルはどう選ぶべきだろうか?第一にノーマルの状態で、一般的な使用をするのであれば各自動車メーカーから販売されている純正オイルがベターと言える。

 純正オイルではないオイルを入れる場合でも、粘度とグレードは基本的に純正オイルと同じスペックのモノを選ぶべきだ。どのようなオイルが純正で入れられているかは、取扱説明書などに記載があるので、オイル選びの参考にするべきだろう。

 オイル粘度の話の際に、「サーキット走行などをするクルマは高い粘度を選ぶ場合もある」と紹介したが、反対にエンジン保護の観点から言っても粘度の低いオイルをオススメできない。

「じゃあ高い方がいいの?」という声もありそうだが、ハイブリッド車を始めとした近年の低燃費趣向のクルマは、エンジンも抵抗の少ない低粘度のオイル使用を主体で開発していることがある。基本的に粘度は純正と同等のモノを選ぶのが無難と言える。

 サーキット走行などを加味した非ハイブリッドのエンジン車でも、純正オイルよりもやたら粘度の高いオイルを入れるのは良くない。

 今回はエンジンオイルを選ぶ際の基本的な情報を紹介した。このほかにもオイルに関するポイントは多くあるが、まずは粘度とグレードを目安に選ぶといいだろう。

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