今でこそインパネシフトがミニバンや軽などで使われているが90年代前半にマツダが、それもセダンに採用していたのだ。その名もMX-8で内外装ともに攻めまくっているのだ。オーディオなど運転に不必要なモノはフタで隠すなど、生活感のなさも凄まじいのだ。今思えば、これスゴくない!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■今よりも攻めてない!? 90年代のイケイケなマツダがヤバい

今見ても未来っぽいデザインがお見事!! 丸っこいデザインは今となっちゃ超新鮮

 マツダ5チャンネルというとマツダの経営危機の要因にもなった愚策という意見も多いが、あれから20年以上が経過した現在、当時5チャンネル向けにリリースされたモデルたちも再評価される向きがある。

 今回はそんなマツダ5チャンネル時代に登場したアンフィニMS-8に注目したい。このMS-8は1992年3月に登場し、カペラの後継車種としてリリースされたクロノスのプラットホームを使用したモデルのひとつとなっていたが、曲面を多用したエクステリアデザインもさることながら、インテリアの快適性を追求したクルマとして、クロノスとは全く違う内装となっていたのだ。

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物理スイッチが少ないこと!! 今のテスラ的考え…か!?!?

 それまで販売されていたペルソナの実質的な後継車種として登場したMS-8は、ペルソナと同じくインテリアに力を入れたモデルとなっていた。

 さすがにピラーレスからピラードハードトップにはなり、リアシートの形状も常識的なものに変更されてはいたが、ドアトリムとインストルメントパネルがラウンド状に繋がる有機的なデザインはペルソナを彷彿とさせるもの。

 さらにその特徴的なインストルメントパネルを強調するためか、2DINサイズのオーディオスペースにはフタが付けられ、時計やオートエアコンの状態を確認するパネルは助手席側にオフセットされた上に奥まった位置に追いやられるなど、デザイン最優先のものとなっていた。

 極めつけはスッキリとした室内空間を実現するためにセンターコンソールレスとし、前席をベンチシート化。行き場を失ったシフトレバーをインストルメントパネルへと移設しているのだ。

 今ではインパネシフトは珍しくないが、当時はフロアシフト以外ではコラムシフトが主流となっており、インパネシフトかつゲート式となったこのシフトを「ニューモードシフト」とマツダでは呼んでいたほどだった。

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■プリウス並じゃん!! ソーラーパネルもあったってマジかよ

 それ以外にもハードトップのサイドシルエットを美しく見せるために、前席のシートベルトをBピラー部分ではなく、リアドアトリムから引き出すようにするなど、とにかくこだわりぶりが半場なかったのである。

 なお、インテリアだけでなくエクステリアにも前述したようにこだわりをもっており、通常の2倍のガラス面積を誇る「スーパーガラスサンルーフ」を設定したり(しかもアウタースライドだ)、デビュー翌年には太陽電池を埋め込んだサンルーフを備えて駐車中でもファンを駆動させて室内換気を行う「ソーラーベンチレーションシステム」を搭載したりと、かなり意欲的な1台となっていた。

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