待ちに待ったボーナスの時期。特に2024年はベースアップも相まって、ボーナスには期待ができるという人も多いのではないだろうか。そこでちょっと嬉しい今だからこそ考えたいのが、各種ローンのボーナス支払いについて。当たり前に使っているかもしれないが、そこには知られざる落とし穴が潜んでいるかもしれない。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
■え、そうだったの?ボーナス払いは元金溜めっぱなしで利息が余計にかかるかも
ローンの月々の返済額を大きく抑えられるのが、ボーナス払い併用型の良いところだ。
自動車ローンの場合、ボーナス払いを15万円あたりに設定すると、月々2万円の返済で300万円くらいの新車に乗れるなんてこともある。(借入元金300万円、内ボーナス返済元金50%、年利2.9%、返済期間5年で計算)
仮に、上記の条件でボーナス払いを使わないとすると、月々の返済額は5万4000円前後だ。毎月決まったお金が出ていくときに、その金額が2万円と5万円では、家計のやりくりに大きく差が出る。
そのため、ボーナスの支払いがほぼ約束されているようなサラリーマン世帯だと、自動車ローンをボーナス払い併用で組みがちなのだが、この組み方は、ローンの総支払額で考えると損しか生まないのだ。
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■計算をしていくと、そこには思わぬ落とし穴が…..
ローン会社の仕組みにもよるのだが、一般的に月々の返済だけでローンを組む場合よりも、ボーナス併用にした方が、ローンの総支払額が大きくなる。
つまり借入期間と金利が同じだから、単純に利息の支払いがボーナス併用の場合に多くなるということだ。
これは、ボーナス併用払いによって、借入元金の減るスピードが遅くなるから発生する。一般的に借入期間5年で、その差は1万円~5万円程度だ。
ただ、場合によっては、ボーナス支払い分の借入元金と、月々返済分の借入元金が別々に管理されている金融機関もあり、こうしたケースだと、総支払額の差はさらに大きくなる。
ローンの返済は、1円でも安くしたいと思っている人が多い中で、不思議とえらばれていくボーナス併用。それぞれに、どれだけの差が出るのかは、ローン契約締結前のシミュレーションで明らかにできる。
同一期間・同一金利で、ボーナス併用と月々均等のシミュレーションを出し、必ず「総支払額」の欄を比べてみてほしい。意外と大きな差に、驚くことだろう。
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■冷静になって、ボーナス出なかったらヤバいよ。いやマジで
ボーナス併用の支払プランを選択したときに、もう一つ大きな問題がある。それは、「ボーナスが出なかった時」にどうするのかということだ。
想像したくは無いが、昨今の円安・物価高、日本経済の変化によって、勤め先の経営が傾く可能性は、今やどんな業界にも当てはまるだろう。
突然の問題発生で、会社が利益を出せなくなり、賞与カットなんてことも珍しくなくなった。このような事態が発生したときに、最も困るのがローンのボーナス支払いである。その月の返済額はかなり大きくなっているはずだ。
預貯金を取り崩して支払えればいいが、お金の工面ができずに支払い不能に陥るケースを、筆者は何例も見てきた。
特に、問題発生のリスクが高いのが、月々の返済額に対して、ボーナス月返済額を5倍以上に設定しているケースだ。
月々返済額が小さくなる見た目のマジックがかかるため、ボーナス併用払いのローンを選択するユーザーは多い。そこで立ち止まり、月々に均した時にその返済額を支払うことができるのかどうかを、冷静に判断してほしい。
もしも均した金額がNGだったら、ボーナス併用の落とし穴にハマる危険性は高いと思う。是非ローン契約の内容を、再考すべきだ。
安易なボーナス払いは、残価設定ローンの設定と同じように、あとで痛い目をみることも。支払い計画は、無理のない内容で作っていきたいものだ。
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