東京アウトドアショー2024では、「自然に優しく、自然を楽しむ。アウトドアを通じて多様性のある生活をもっと楽しむ。」をコンセプトに、自動車のみならず、アパレルなど様々なアウトドア製品が展示、販売された。
目を引いたのは、アウトドア向けに変更が加えられたキャンピングカーだ。本稿では、東京アウトドアショー2024で展示された、ユニークなキャンピングカーと業界の動向に迫る。
◆キャンピングカーをもっと身近な存在に…Moon Star Export
居住スペース会場中央に行くと見えてきたのが、軽ベースのキャンピングカー『JP STAR HAPPY1』である。よくイメージするキャンピングカーのサイズより小さく、可愛らしい印象だ。室内を見ると、部屋を囲むスタイリッシュなシートに、水道まで装備されている。
この車両の目指すところは、キャンピングカーをもっと身近に感じてもらう点だという。一般的なキャンピングカーは、納期が1年から1年半かかるのが相場といわれているが、こちらの車両は半年以内の納車が可能だ。現在の購入者層は、50代半ばでセミリタイアしたような人が多い。今後は、車両のリセールの良さを生かし、20代の若者世代にもキャンピングカーに興味を持ってもらいたいと語った。また、行政とキャンピングカー業界が絡むことによって、キャンピングカーの防災利用も推し進めていきたいとのこと。
◆愛犬とのお出かけに最高の1台…ワン!PiNG ACE
ワン!PiNG ACE、ハイエースのカスタム車両次に、注目するのは『ワン!PiNG ACE』の出展だ。今回展示されていたのは、一見ノーマル仕様の『ハイエース』と『シエンタ』だ。しかし中を見ると、しっかりアウトドア仕様である。
ワンちゃんが過ごしやすい素材のシートは、状況に応じてアレンジが可能。運転中は、普通の座席のように座り、目的地でゆっくり過ごすときはテーブルを中心に、対面で座ることも可能に。フロアの素材にも気が配られており、ワンちゃんが過ごしやすいだけでなく、硬い素材を生かし、マウンテンバイクなどの重いものも載せることができる。実際に、購入者の三割はワンちゃんなどのペットを飼っていないサーファーや、釣りが趣味の方だという。3年前から神奈川で展開を開始し、現在は中部での販売を拡大していく。
◆レトロな雰囲気×アウトドアで冒険心を駆り立てる1台…AMJ
AMJ『VANACE』会場に展示されていた、アウトドア向け車両の中でも唯一の存在感を放っていたのがAMJ『VANACE』だ。『ハイエース』をベースに、オリジナルのフロントフェイスでカスタムされたこの車両は、フォルクスワーゲン『ヴァナゴン』をイメージして作られた。
購入者層は、ファミリーでのキャンプや、釣りの前や後に車中泊をするような人が多いという。ボディーカラーも10色から選べるほか、オプションで特別色にも対応する。内装のシートカバーもオリジナルで選ぶことが可能となっており、こちらもクラシックなスタイルで雰囲気を高める。
AMJカスタマイズの一番人気はハイエース・ベースのものだが、ほかにも外装メインで三菱『デリカ』や日産『エクストレイル』にも対応している。
◆キャンプだけじゃない!小さくても充実した装備…CARisma-JAPAN
DIYで好みにアレンジができるCarisma-JAPAN『TINY』も、軽バンとは思えないような空間を実現している。こちらはキャンピングカーではなく「旅ぐるま」として捉えていただきたいとのことで、キャンプだけではなく、ただ出かけて海を見ながら過ごすような車としても使って欲しいとのこと。
床やマットの色まで自分好みに選択が可能となっており、壁に取り付けられたサイドボードパネルはDIY用で、元は何もついていない状態になっている。購入者層は年配の方が多いとのことで、若年層にもアクティブに使っていただきたいと担当者は語った。今回の展示車は、スズキ『エブリイ・ジョイン』がベース車となっており、サイズ的にも、価格的にも日本の市場に合わせた1台となっているという。
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