8.1%という数値。警察庁統計・2022年データによると、運転免許保有者数は約8199万人。そのうち75歳以上の運転免許保有率は8.1%(約664万人)。運転免許証をもっている日本人の8.1%が75歳以上の高齢ドライバーとなる。かなりインパクトのある高い数値だ。高齢ドライバーになると重大事故を引き起こす確率が高くなるが、それを防ぐ「策」を警察庁は講じている……。
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■全体の事故件数が減るなか、高齢ドライバーによる事故割合は増加
クルマは生活するうえで欠かせないモノ。都市部の方にはピンとこないかもしれないが、地方部では移動の手段、買い物などへ行く際、クルマはなくてはならないものという認識だろう。
特に高齢者にとっては「クルマが自分の足代わり」になっている場合が多く、病院などに行く際、必要不可欠なモノ。クルマは有難い存在なのだ。
が、反面、リスクもある。
65歳以上の高齢ドライバーによる交通事故件数は、10年前に比べると65.9%に減少している。だが、全体の事故件数が大きく減少しているのに対し、高齢ドライバーによる事故の割合は、16.3%から24.4%に増えている(警察庁統計・2022年データ)。
そのなかでも75歳以上の高齢ドライバーの事故原因の1位は「操作不適」で、ハンドルの操作不適(14.9%)と、ブレーキとアクセルの踏み間違い(6.6%)が大半を占めているという状況だ。
■16枚のイラストを約4分で記憶し、答えるという検査。正直難しい!
脳の老化と身体機能の低下により、高齢ドライバーがそれらハンドル操作のミスやブレーキとアクセルの踏み間違いを起こす割合が多くなっているわけだ。
その深刻な背景のもと、警察庁は「75歳以上の高齢ドライバー」に対して、運転免許更新時の「認知機能検査」を2009年から実施し、2022年からその内容が変更されている。
この「認知機能検査」に合格しないと運転免許が更新されないわけだが、正直言って、検査内容は高齢者にとっては難しい。下で紹介しているのが「認知機能検査」とほぼ同じもの。
4枚が1セットになったイラストを約1分間で記憶することが1セット。同様のことを続けて3セット、合計4セット実施し、合計16枚のイラストをトータル約4分間で記憶する。
そして「その16枚のイラスト、何が書いてありましたか?」と出題され、解答するというもの。記憶力はもちろん、脳の柔軟性が問われる出題で、75歳以上の高齢者が、何も準備せずに「認知機能検査」をパス(合格)するのは至難の業といえよう。
■高齢者には、脳に適度なストレスをかける「脳活ドリル」が有効!!
では、どうすればいいのか!? 日頃からの「脳活」がカギとなってくる。
現在、大学病院で脳神経疾患の専門診療に携わりながら、認知症の早期発見や予防研究も行う、日本神経学会脳神経内科専門医・塚本 浩先生はこう語る。
「新しいことにチャレンジせず、今までと同じことばかりをしていると脳は衰えてしまいます。高齢者にとっては脳を鍛えることが重要で、そのためには適度なストレスをかけてあげることです。その意味でも、脳活は重要になります」
警察庁が、認知症疑いがある高齢者に運転をさせないために実施している「認知機能検査」。悲惨な交通事故を防ぐためにとても重要なものだが、生活するうえで、あるいはクルマを楽しむために「まだまだ運転したい高齢ドライバー」がいることも事実。
脳の活性化に効果的な「脳活ドリル」を日頃から行い、75歳からの高い壁である「認知機能検査」に合格!! この筋書きは大いにアリだ。
「運転免許認知機能検査 完全攻略本」
総合監修:塚本 浩(脳神経内科専門医)
定価:本体1200円(税別)
発売日:2024年6月20日
ISBN:978-4-06-535658-6
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