本日7月11日にトーヨータイヤから”OBSERVE GIZ3(オブザーブ ギズ スリー)”の販売を発表した。近年需要が高まるSUV用サイズもラインナップされる予定だが、気になる性能の方はどうなのか。トーヨータイヤの試乗会に確かめに行ってきた。

文:新井大輝/写真:トーヨータイヤ

■新製品”OBSERVE GIZ3”にかける熱き想い! 

OBSERVE GIZ3(オブザーブ ギズ スリー)

 TOYOタイヤのスタッドレスの試乗会へやってきました。筆者は今回が初めてTOYOタイヤのスタッドレスです。プロクセスシリーズは何度か履いたことがありましたが、スタッドレスタイヤに関しては今まで一度も履いたことがなかったこともあり、少し楽しみにしていました。

 試乗する前に技術的な進化や新製品の性能比較や特徴を聞く時間などがあり、細かく今回の新製品について質問することができました。

 新しいコンパウンドやパターンに加えてクルミ殻を配合することによって滑りやすい氷の上でも引っ掻きグリップさせるという独自の技術を開発されているのを直接開発者から聞くことができてエンジニア的な視点ではありますがとても興味深かったです。

 筆者的にはクルミ殼というものに最終的に行きついた過程で様々な殼を試して実験していた話を直接聞いてみるとTOYOタイヤがこのスタッドレス開発にかける強い思いを知ることができた気がします。

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■タイヤ評価においての最高のコンディション! 

SUV用のサイズも新たにラインアップ、全68サイズになる予定である

 さて今回の試乗会は6月とは思えないほど暑く、半袖短パンでも汗をかく天気でしたが、東京都内のスケートリンクを貸し切っていたこともあり室中では涼しいというよりかは寒すぎるぐらいの気温でした。外が34°C近く、中は氷点下なので寒暖差が大きすぎて寒すぎると感じたのかもしれません。

 温度的には真冬の関東よりもさらに5〜10°Cぐらい低い気温だったので、実際に山間部へ行ったらおおよそ同じような気温にで現実的に遭遇しうるコンディションでの試乗会となりました。

 筆者はフィンランドへ3年間ほど住んでいた経験がありますので、少し雪や氷には詳しかったりします。氷というのは温度が低くなりすぎると逆にグリップしてしまう傾向があるので今回のように−5°Cぐらいが一番評価するにはうってつけの温度です。

 逆に−20°Cや寒すぎるとどんなタイヤでもグリップしてしまうので性能の比較が難しくなってしまいます。フィンランドに住んでいるときは最低気温が−49°Cという極限を体感したことがありますが、ここまで寒くなるとサマータイヤでもグリップします。

 良い子は真似しないでください。なので、今回のように0°C−10°Cでしっかりグリップ出来るようなタイヤであれば、どんなコンディション下でも安心してグリップし、走れるタイヤということになります。

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■グリップ力が先代と断然違う!!  

スケートリンク上での試乗会。場所は違えど中身は自動車メーカーの評価コース

 今回は先代のスタッドレスと新製品を比較できるように車が2台用意されていました。スケートリンクに定常円やスラロームコースや急制動エリアが設けられており、さながら自動車メーカーの評価コースのようになっておりました。

 先ずは先代のスタッドレスを乗らせていただきステアリングのフィーリングやブレーキングのフィーリングを身体に刻んでいきます。最後に新製品を試乗させていただきました。

 総合的な評価をはじめに綴っておくと当たり前かもしれませんが、性能的に先代よりも20%以上全体的に向上しているような気がしました。ただ一番驚いたのはステアリングを切り込んで行くときの安心感でした。

 先代の仕様ではハンドルを切り込んでいってもタイヤから伝わってくるフィードバックが薄くてグリップするけど限界値が読みづらい傾向がありました。新製品ではハンドルを切り始めた瞬間からクルミ殻が路面を引っ掛けてくれるのがステアリングから伝わってくるようでした。

 安心感や安定感という面において先代とは比べものにならないほどドライバーにフィードバックを与えてくれるという意味では性能以上の進化を体感できるタイヤです。

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