カーオーディオ市場の中で独特の存在感を放つ“逸品”を毎回1つずつ取り上げ、その魅力を紐解いている当連載。今回は、国産実力ブランド「アルパイン」が擁する秀作ミドルグレードスピーカー、『Xプレミアムサウンドスピーカー』シリーズにスポットを当てる。

◆スピーカー開発にも強みを発揮してきた「アルパイン」の、最新実力作がこれ!

「アルパイン」は、カー用スピーカーの開発においても強みを発揮してきたブランドの1つだ。実際、これまでにさまざまな名機を世に送り出してきた。例えばカーオーディオがブームとなっていた2000年代には、同社の独自技術「DDリニア」が採用されたエントリー機からハイエンドモデルまでが、多くの愛好家に選ばれていた。

また2021年には超プレミアムカーオーディオシステム『F#1(エフナンバーワン)ステイタス』を復活させ話題をさらい、その中にもスーパーハイエンド4ウェイスピーカーが組み込まれていて、今もなお高いスピーカー開発能力も有することを誇示した。

その同社の、最新ミドルグレードスピーカーかこの『Xプレミアムサウンドスピーカー』シリーズだ。現行モデルは2022年12月より発売されている。

なお当シリーズの各機は同社のスピーカー技術がふんだんに盛り込まれた実力機でありながら、価格は案外リーズナブルだ。入門者が手を伸ばしやすい価格帯にある。その点も魅力の1つとなっている。

ラインナップは、計4モデルにて構成されている。コアキシャルモデルが1つあり、その他はミッドウーファーの口径違いで3つのセパレート2ウェイキットを用意する。

アルパイン・X-171C

◆大口径モデルでは特に、より迫力のある低音再生が可能!

ラインナップの詳細は以下のとおりだ。ミッドウーファーの同軸上にツイーターを装備する17cmコアキシャルスピーカー『X-171C』(税込価格:2万8600円)があり、セパレート2ウェイキットは次の3モデル展開となっている。17cmセパレート2ウェイスピーカー『X-171S』(税込価格:4万700円)、18cmセパレート2ウェイスピーカー『X-181S』(税込価格:4万6200円)、7×10インチセパレート2ウェイスピーカー『X-711S』(税込価格:4万8400円)、これらだ(すべて取り付け費は別途)。

ちなみにカー用スピーカーは一般的に、ミッドウーファーの振動板の口径は17cmクラスが最大だ。しかし『Xプレミアムサウンドスピーカー』シリーズでは、それよりも口径の大きいモデルを2つ持っている。スピーカーは振動板サイズが大きくなればなるほど低音再生力が高まるが、当シリーズにはその部分でアドバンテージを発揮するモデルが2機種あり、それらでは特により迫力のある低音を奏でられる。

なお口径が大きくなると装着可能な車種はある程度絞られるが、同社は適合を詳しく明らかにしているので愛車が装着可能であると分かれば大口径モデルを選択しよう。そうすることでより充実したサウンドを手にできる。

アルパイン・X-711S

◆振動板素材やフレーム、ボイスコイル等々に、最新技術を惜しみなく注入!

次いでは、『Xプレミアムサウンドスピーカー』シリーズの各機に投入されている技術の詳細を紹介していこう。

まずはミッドウーファーでは振動板素材に特長がある。これには硬さと軽さと適度な内部損失(素材特有の響きの少なさ)が求められるが、これら特徴は相反するのですべてを備える素材は多くない。しかし当シリーズのミッドウーファーに採用されているカーボンファイバーとパルプの2層構造の振動板は、求められる特性を高次元でバランスしている。結果、力強くも繊細な中低音再生が可能だ。

そしてフレームも高性能だ。アルミダイキャストフレームが採用されていて、不要な振動を排除し出音の伝達性能の向上が果たされている。

またツイーターにはアルミマグネシウム合金ダイヤフラムが採用されていて、立ち上がりの鋭い高域再生が実現されている。そしてボイスコイルの巻き線には6N8高純度銅線を投入し、音の透明度の向上が図られている。

なお当シリーズの全製品が、ハイレゾ音源の再生に対応している。高解像度かつワイドレンジなハイレゾ音源の良さを、余すことなく再現可能だ。

実力の高いミドルグレードスピーカーを探していたというのなら、「アルパイン」の『Xプレミアムサウンドスピーカー』シリーズに、要注目。

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