ダイハツは2024年4月19日、認証不正問題に関して、国土交通省の立会試験などを行った結果、3車種について道路運送車両法の基準に適合していることが確認されたため、出荷停止を解除すると公表された。これでようやく、現行生産車の出荷停止が全面的に解除となった。となれば、新型ムーヴの発売はどうなる?

文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部

■現行生産車の出荷停止はこれをもって終了

4月23日に出荷が再開されるムーヴキャンバス

 ダイハツは2023年12月20日、第三者委員会の調査報告を受けて認証不正問題を公表、翌日から国交省の立入検査を受けて、ただちに国内全工場の生産と出荷を停止し、全国のダイハツ車販売店も新車販売を停止した。

 続いて国交省から是正命令、消費者庁から指導を受け、2024年2月9日に再発防止策を国交省へ提出。2月13日には会長、社長交代を含む経営陣を一新する新体制を発表した。

 その後、国土交通省により立会試験が始まり、道路運送車両法の基準に適合していることが確認された車種について、順次出荷停止の指示が解除されていった。

ダイハツロッキー&トヨタライズもガソリン車に続いてハイブリッド車も出荷停止が解除された

 そして4月19日、国土交通省はムーヴキャンバス、ロッキー(HV)、ライズ(HV)の3車種が、道路運送車両法の基準に適合していることが確認され、出荷停止の指示を解除すると、公表した。

 この結果をもって、ダイハツ(トヨタ、マツダ、スバルなどのOEM供給含む現行生産車における基準適合性の確認が完了し、出荷停止指示が解除された。

 今後、仕入先や販売会社と密に連携しながら、準備ができ次第、順次生産・出荷を再開するという。なお、ムーヴキャンバスについては4月23日に出荷再開されるという。

 また、以下のすでに生産を終了した車種(旧モデル)についても、道路運送車両法の基準に適合していることが確認された。

・ダイハツムーヴコンテ(型式:DBA-L575S、DBA-L585S)
・トヨタピクシススペース(型式:DBA-L575A、DBA-L585A)
・IQ(型式:DBA-KGJ10、DBA-NGJ10)
・ダイハツアプローズ(型式:E-A101)

■2月12日から生産再開された車種(2024.1.31発表)
トヨタプロボックス
マツダファミリアバン
■2月26日から生産再開された車種(2024.2.9発表)
ダイハツミライース、ハイゼットトラック、ハイゼットカーゴ(デッキバン含む/生産終了)、アトレー(デッキバン含む)
トヨタピクシスエポック、ピクシストラック、ピクシス バン(生産終了)
スバルプレオプラス、サンバートラック、サンバー (バン/生産終了)
■3月11日に基準適合公表、生産再開時期調整中の車種(2024.3.11発表)
ダイハツタント、スバルシフォン
■3月15日に基準適合公表、生産再開時期調整中の車種(2024.3.15発表)
ダイハツトール、トヨタルーミー、スバルジャスティ
■3月18日から生産再開された車種(2024.2.28発表)
ダイハツロッキー(ガソリン車)、トヨタライズ(ガソリン車)、スバルレックス
■3月29日に基準適合公表、5月6、7日に生産再開される車種(2024.4.11発表)
ダイハツタフト、ダイハツコペン
ダイハツムーヴキャンパス(生産終了)、ダイハツハイゼットトラック(生産終了)、トヨタピクシストラック(生産終了)、スバルサンバートラック(生産終了)

■両側スライドドアの新型ムーヴは2024年秋頃になる

両側スライドドアを採用する新型ムーヴ。G、RS(ターボ)はエアロ仕様。2023年5月頃に配布されていた簡易パンフレットより

 2023年7月3日に登場を予定していた新型ムーヴ。しかし、衝突試験の不正問題からフルモデルチェンジが延期されている。今回、全車生産再開することになれば、本格的に再開へ向かうことになる。もちろん、現行モデルの生産販売再開が優先されるが、ある程度の目処が付けば、新型モデルも登場させるだろう。

 ズバリ、新型ムーヴを待つ理由の一つに、後席ドアが従来のヒンジドアから両側スライドドアに切り替わったことだろう。ちなみに両側スライドドアは、スーパーハイトワゴンには当たり前になっている装備で、ワゴンRやムーヴクラスのハイトワゴンには採用されてこなかった。

 ちなみに2021年9月に発売されたワゴンRスマイルは、スライドドアを採用して大ヒット、ということを考えると、ムーヴに両側スライドドア採用は、売るための必殺技に他ならない。

 振り返ると、2023年5月中旬から新型ムーヴの事前案内が始まり、各ディーラーにはパンフレットが配布されていた。当時入手した情報を以下に記しておこう。

 新型ムーヴのラインナップは、これまで標準車とカスタムの2本立てだったが、標準モデルの1本立てとなるものの、標準仕様のLとXに加え、エアロ仕様としてGとターボのRSを用意される。

 グレード体系は、下からL(約129万円)、X(142万円)、G(約163万円)とRS(181万9500円)と全4つのグレードをラインアップ(4WDもあり)。

 全車、新型プラットフォーム、DNGAが採用となり、先進安全装備のスマートアシスト3が標準装備化。さらにメーカーオプションでブラインドスポットモニター(6万8772円)を選ぶことができることになった。

 WLTCモード燃費はNAモデルが22.6km/L、ターボは21.5km/Lとスライドドアで車重が増えているのに現行モデルよりも燃費がアップ!

標準仕様のL、Xグレード。ムーヴシリーズ初のスライドドア採用となる

 インテリアは4.2インチTFTモニターのほか、10インチのナビ(ドラレコセットで約40万円前後)を選ぶこともできる。室内空間は、段差のあった後部座席フロアの中央部分がフラットになったことにより、快適に過ごせるようになった。

●Lグレード=約128万円
LEDヘッドライト、14インチスチールホイール、スマートアシスト、左右分割ロングスライドシート
●Xグレード=約142万円
Lグレードに加え、プッシュスタートスイッチ、左側パワースライドドア
●Gグレード=約163万円
エアロパーツ、14インチアルミホイール、電動パーキングブレーキ、アダプティブドライビングビーム、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、全車速追従機能・停止保持機能付きアダプティブクルーズコントロール(メーカーオプション)
●RSグレード=約181万円
エアロパーツ、右側パワースライドドア、15インチアルミホイール、全車速追従機能・停止保持機能付きアダプティブクルーズコントロール、スポーティサスペンション
※ディーラー調べ

 以上の情報は2023年7月の発売を予定していた時のものなので、当然変わる可能性があるので、参考程度に見ていただきだい。新型ムーヴの発売時期は、現在入手している最新情報によれば2024年秋頃と予想している。

 いずれにしても、今回の基準適合検査で、全車種の基準適合が認証され、出荷停止が解除となり、生産再開および販売が再開されるので、誠実、愚直に、本格的な再開に向けて頑張ってほしい。

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