バスでグルメシリーズの今回はちょっとご馳走だ。路線バスで行けないことはないが、若干遠いので女子会や最近はめっきり経てしまった親戚の集まりなど、人数をそろえると無料でバス送迎してくれるサービスを利用したのでレポートする。
文/写真:のりぴよ(影山のりみ)
共著/編集古川智規(バスマガジン編集部)
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■ローストビーフのひつまぶし?
静岡駅から車で10分弱の「あべ川のほとり 四季の幸 江戸駒」は、京都ミシュラン三ツ星の祇園さゝ木など京都の老舗料亭で13年修行を積んだ二代目が営む個室日本料理店だ。食材は、駿河湾由比焼津など静前の魚を朝直接競りに行って仕入れるこだわりようだ。
下準備・仕込みに惜しみなく時間をかけ、丁寧に作り上げる料理はファンが多い。6月からスタートした静岡ブランド牛を使ったローストビーフひつまぶしと、夏のテッパンスイーツのかき氷が話題とのうわさを聞きつけ静岡までやってきた。
■シビリアンの無料送迎バスかタクシーキャッシュバック
交通至便とは言えないので、人数がそろえばマイクロバスで送迎してくれる。平日は7名から5500円以上のコースを予約すると静岡駅南口までの送迎バスを利用できる。基本的には静岡駅までの送迎だが、その他の場所でも相談にのってくれるという。
なお、6名以下でもタクシーで来店すると、一台につき1000円をキャッシュバックしてくれるそうだ。領収書が必要で、利用は2台までの条件付きだ。また土日祝日の無料送迎バスは15名から利用可能だ。
マイクロバスは3代目の日産シビリアンで、自家用送迎専用車だ。駅から10分程度でも徒歩では無理なので、グループ等で人数が集まれば問い合わせることをお勧めする。また前述の通り人数が集まらなくても、タクシーでのキャッシュバックもあるのでバスにこだわらず利用はできる。
■シズル感がたまらない!ローストビーフひつまぶし膳
みやびなビジュアルが京都の懐石料理をほうふつとさせるお膳が到着し、テンションMAXの筆者。 ローストビーフを食べる前のウォーミングアップは、自家製寄せ豆腐。焼津の海洋深層水を煮詰めて使った自家製のにがりを使用しており、濃厚でいて上品な味わいだ。
そのままでも十分おいしいが、同じく海洋深層水を煮詰めて作った塩を少しかけると味が引き締まる。これはぜひ商品化して販売してほしいおいしさで、バケツで食べたい豆腐だった。
おまちかねのローストビーフへと進んでいく。火入れの加減が絶妙なのが見て分かる美しいキラキラぴんく色。静岡県西部の、引佐町奥山(いなさちょうおくやま)で育つ「赤身のうまみが自慢!」を信念に、程よい霜降り加減で脂もしつこくなく味わい深い峯野牛(みねのぎゅう)を使用している。
まずは塩で。肉の味わいがしっかりしている峯野牛はまさに赤身のうまみを堪能するに持って来いのブランド牛。ひと口でローストビーフは最適な料理だと確信。
次は、山椒しょう油で。肉のうまみと山椒の爽やかな香りにピリリとした特有の刺激、甘めのしょう油の組み合わせで食欲が増進される。暑い夏にもってこいの食べ方だ。峯野牛の味わいと風味を損なわないためにも山椒しょう油はちょろっと少しだけかけるのが良い。
■いったい何種類の食べ方があるんだ?
肉×卵黄の組み合わせは食べる前から優勝決定。峯野牛の濃厚だがさらりとしたしつこくない脂に卵黄の甘味とまったり感がマリアージュし、それに負けないうまい肉とくれば、もう間違いはない。食べながら頷いてしまう卵かけご飯。こちらは山椒しょう油とは逆に、たっぷりかけてわんぱくに口にかき込むのがおすすめだ。
最後は、江戸駒こだわりの焼津のかつお節、利尻昆布をふんだんに使用した一番出汁のお茶漬けでシメ。水までこだわっており、焼津の海洋深層水を使用している。まろやかで優しく上品な出汁はそれだけで飲んでもおいしい。そこに峯野牛の脂が溶け出 すことで、ぐっと深みを増したお出汁にレベルアップする。
■富士山天然水のふわふわかき氷
食事後におなかに余裕があれば、3週間近くかけてゆっくりと凍らせた富士山天然水のかき氷をオーダーしてみてほしい。それぞれのフレーバーかき氷もあるが、全部のせのビジュアルを見てしまったら注文せずにはいられない。単一フレーバー1100円に対して、全部のせで1430円は安すぎないか。
ゆっくり凍らせた富士山の天然水は、柔軟性があり溶けにくく、よりふわっとした食感になると聞いた。何もかけずに口に運ぶとふわっと溶けてスーっと消えていく。雲のようにもくもくしてボリュームがあるのに不思議だ。
氷にトッピングを一気にかけてしまうと、氷のふわふわ感が損なわれてしまうので少しずつ氷を別皿に取り分け、味付けをして食べ進めて行くのがポイントだ。まずは和のトッピングで、静岡茶+北海道産あんこ+きなこ。甘党の筆者はかんろをさらにかけて甘さを足して自分好みに仕上げた。全部のせだから叶う好みのかき氷作りは舌も心もよろこぶ。
お次は、みんな大好き甘酸っぱいいちごにはみるくを合わせてみた。トロピカルな夏のフルーツのマンゴー。まさに今が旬のもも。次々とフレーバー単体でシンプルに楽しみつつ…ラストは和のマリアージュだ。トッピングが8種もあるので、あれこれ試せば自分好みのかき氷と出会えるはずだ。
■落ち着いた雰囲気の和個室でリラックス
江戸駒は全室、プライベート感を確保した和個室。足を下ろして寛げるので老若男女だれでもゆったりと過ごせ、冠婚葬祭や宴会・会議・接待などさまざまなシーンにも対応できる。最大16名まで利用可能だ。
筆者が過ごした和個室は、すてきなお庭が目の前に。中庭の風景を愛でながら、誰にも邪魔されずミシュラン三つ星店で修行を積んだ二代目の料理で口福を堪能する時間はまさに癒やしといわずしてなんと表現しようか。
今回は6月からスタートした、ローストビーフひつまぶしと夏のデザート富士山天然水のふわふわかき氷にスポットを当てたが、静岡の旬菜や鮮魚に京料理の彩りを添えた季節の日本料理がズラリとラインアップされている。女子会や親せきの集まり、大切な方々との交友には豊かな木々が生い茂る安倍川の畔にたたずむ同店で過ごしてみてはいかがだろうか。
なお、おトク情報として、インスタフォローとハッシュタグ #江戸駒 の投稿でドリンクがアルコールを含めて1杯サービスされるので、筆者はちゃっかり赤ワインをGETしたことを付記しておく。昼から飲める幸せよ…みなさんもぜひ。
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