EVの製造にも力を入れている鴻海(ホンハイ)。iPhoneなどの生産でも有名な台湾の企業だ。その鴻海が、まさにスマホのように「受託製造者」となってEVを製造しようとしている。そこに日本の自動車メーカーが名乗りを挙げた!?

※本稿は2024年6月のものです
文:角田伸幸/写真:フォックストロン、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年7月26日号

■日本の自動車メーカーと協業のニュースも

MIHは誰もがBEVを作れるプラットフォームを目指す(フォックストロンHPより)

 アップル製品の生産で知られる台湾の鴻海(ホンハイ)。ベストカーの読者ならその鴻海がEVにも力を入れていることはご存知だろう。

 過去にも触れたが、鴻海は台湾の自動車メーカーである裕隆(ユーロン)汽車と「フォックストロン」という合弁会社を作った。

 EVを開発するのかといえばちょっと違う。フォックストロンの狙いはEVに必要なソフトウェアとハードウェアをそろえて、「EVの受託製造者」になること。

 EV発売を考える世界中の顧客に対し「仕様さえ決めてくれれば、うちで作りますよ」という生産請負企業になろうとしているのだ。

 フォックストロンはこのEV基盤を「MIH(モビリティ・イン・ハーモニー)」と呼び、世界中の企業に参加を呼びかけた。

 現在ではモーターから電池、自動運転にいたるまで、数千もの企業がサプライヤーとして名を連ねている。

 EVをスマホのように作ろうというMIH、今後の動き次第では強烈な存在となりそうだが、実は2024年5月末に気になる報道があった。

 日本経済新聞が「鴻海が年内に日本の自動車メーカー2社と完成車の分野で協業する」と伝えたのだ。はたしてその協業先とはどこだろう?

2023年のジャパンモビリティショーに展示されたMIHの商用バン「プロジェクトX」

 ここからはベストカーの予想だが、MIHは2023年のジャパンモビリティショーに、「プロジェクトX」という小型バンを出展した。商用車はコスト面などから電動化が難しいが、プロジェクトXはインドかタイで生産され、価格は2万ドル(約300万円)というから魅力的に映る。

 となるとその買い手だが、商用車の電動化で手を組んでいるいすゞと日野が濃厚だ。微妙に仕様を変えて兄弟車として市販するのかもしれない。さて正解は?

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