うおおおおカッコええ! アウディが新型EV「A6 e-tron」を公開した。これまでSUVモデルが多かったアウディのEVだが、今回はスポーツバックとワゴンという王道をラインナップ。こいつは売れるんじゃないの?

文:ベストカーWeb編集部/写真:Audi

■ガソリン車時代に準じたラインナップ

A6 e-tronアバント(左)とA6 e-tronスポーツバック

 A6といえば、メルセデスEクラスやBMW5シリーズと並ぶアウディのミディアムクラス。しかし一足先にデビューしたA5(旧A4)と同様、アウディが「EVは偶数、ICEは奇数に」という新ルールを適用したため、新型A6はピュアEVとして再スタートを切った。

 その外観を一目見て感じるのは「コンセプトカーまんまやんけ」ということ。A6は2021年にこのクルマのプロトタイプを発表しているのだが、ほとんどイメージを変えずに市販してきた。

 オーソドックスなノッチバックセダンを廃止し、スポーツバック(5ドアハッチバック)とアバント(ステーションワゴン)をラインナップした点は新型A5と同じ。ペッキペキなプレスラインが影を潜めて、優雅な陰影を持つエレガントさが復活した点もA5に似ている。

 スポーツバックのサイズだが、全長4928mm、全幅2137mm(ミラーの幅)、全高1487mm。アバントは全高だけが異なり、1527mmとなる。ホイールベースは双方とも2946mmと長い。グレードはノーマルとSライン、そしてS6をそろえる点はICE車と同じだ。

■鬼のような空力性能!

Cd値はなんと0.21!

 おっそろしいのは空力。EVの航続距離を左右する重要な要素だが、アバントですら0.24、スポーツバックにいたっては0.21という凄まじい数値を叩き出している。これはボディ形状だけでなく、ホイール内やアンダーボディなど、細部のエアロダイナミクスを突き詰めた結果であるそうだ。

 ヘッドライトは非常に薄くて小っちゃいのだが、アウディのお家芸であるデジタルシグネチャー機能を備える。開錠/施錠時にはアニメーションするし、明るくて対向車にまぶしさを感じさせない夜間視界を提供。Q6 e-tronが初採用した他車に危険などを知らせるコミュニケーション機能も加わっている。

 車内に乗り込むと、コックピットには衝立のような巨大な曲面ディスプレイが鎮座する。インパネが11.9インチ、MMIのタッチディスプレイが14.5インチ、さらに助手席側にも10.9インチのサブディスプレイが備わる3連構造だ。

 インフォテインメントはアンドロイド・オートモーティブOSが内蔵された。スマホを繋がなくてもGoogle Mapや動画、ゲームなどが利用できるほか、天気やニュースなど多彩な情報と車両の設定が音声ベースで行える。

■バッテリーは分割して並列充電が可能!

巨大なディスプレイを備えたコックピット回り

 駆動系はどうか。新型A6のリチウムイオンバッテリーは総容量100kWhという巨大なもの。モーター出力はノーマルで270kW(367ps)、S6では370kW(503ps)を発揮する。航続距離は前車のスポーツバックで756km、後車のスポーツバックが675kmとのことだ。

 充電性能としては、800V電源系と最大270kWの充電容量のおかげですばやいリチャージが可能。さらにA6のバッテリーは分割充電機能も備えていて、対応充電器を使うと800Vのバッテリーを分割し、400V(最大135kW)×2系統で並列充電も行えるという。

 こうした技術のお陰で、A6を欧州の標準的なハイパワー充電器で充電した場合、10分で最大310kmの電気を蓄えられる。10%から80%までの充電スピードは約21分だそうだ。

 というわけで、ついに主力ラインナップの電動化へと踏み出したアウディ。新型A6 e-tronはこれまでのSUVやGTとは異なり、アウディの本気度が分かるガチEVということもできる。

 欧州の価格は、ベースとなるA6スポーツバックe-tron(パフォーマンス仕様)でも7万5600ユーロ(約1210万円)とお高め。内燃機関のA6に対して1.5倍という印象だ。

 となると、近い将来登場するであろう最後のICEモデルA7が気になる。おそらく似たスタイリングで登場するだろうから、こっちも楽しみに待ちたい!

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