2009年の日本導入以来、幅広い世代に愛されてきたアバルト500シリーズが、2024年5月いっぱいでF595&695の日本向けモデルの生産をついに終了した。キュートな見た目から、日本の道路に小気味よいエキゾーストノートを響かせたF595&695の歴代モデルを振り返って、共に懐かしんでいこうではないか!!

※本稿は2024年7月のものです
文:大音安弘/写真:ステランティス、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年8月10日号

■悲報! 日本向けモデル生産終了

アバルト F595(448万円)。小気味よい走りが堪能できるエントリーモデル

 アバルト500シリーズは、2009年の日本導入以来、身近なイタリアンスポーツとして、幅広い世代に愛されてきた。2024年5月いっぱいでF595&695の日本向けモデルの生産終了という歴史の幕引きに、寂しい気持ちとなるとともに、真剣な購入検討を始めた人もいるのではないだろうか。

 最終ラインナップは、F595、695ツーリズモ及び695Cツーリズモ、695コンペティツォーネの4タイプとなる。

 エントリーとなるF595は、165ps仕様の5速MT専用モデル。695よりもエンジン性能が抑えられ、一部装備が省かれるものの、エキゾーストには、勇ましいレコードモンツァも標準。

 もしマフラーの音を抑えたいならば、レスオプションもある。ステアリング位置が左右ともに選べるのも大きな魅力だ。

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■上級モデルはさらに楽しめる

アバルト 695(470万~500万円)。クーペとキャンバストップの2タイプを設定。在庫は要確認

 695シリーズは、シリーズ最強の180ps仕様のエンジンが最大の特徴。さらにハイパフォーマンスコイルスプリングやブレンボ製フロントブレーキキャリパーなどで走行性能を強化。さらにオーディオが上級仕様となる。

 ツーリズモは、5速AMTの右ハンドルのみで、シートもレザー仕様となるなど、GT色を強めた仕様で、キャンバストップのオープンカー「C」が唯一設定されている。

 最上位となるコンペティツォーネは、ハードトップのみで、5速MTが左ハンドル、5速AMTが右ハンドルとなる。ツーリズモ同様の豪華装備に加え、サベルト製スポーツシートが標準化される。

 走りの痛快さはいずれも同様で、AMTも癖を掴めば、ネガティブに捉える必要はない。自分に最適な仕様を選ぶべきだが、最後の記念なのだから、個人的には、左のMTがオススメだ。

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■内燃機関車終了後、残るモデルはBEVのアバルト 500e

アバルト 500e(615万~645万円)。EV専用車だがレコードモンツァのサウンドをデジタルで再現

 EV専用車のフィアット500eをベースに生まれた毒サソリが、アバルト500eだ。最高出力155ps、最大トルク24.0kgmで0-100km/h加速は、エンジン車の595と695の中間となる7.0秒を叩き出す。EV化で重くなっているが、比較的軽量な1300kg台に抑えている。

 ボディタイプは、ハードトップとキャンバストップの「C」を用意。航続距離は、ハードトップで303km(WLTC)。EVとしてユニークなのは、徹底した走行音へのこだわりで、レコードモンツァのサウンドをデジタルで再現。もちろん、ADAS機能も充実。新車購入時には、EV関連の補助金の対象となる。

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