連日の猛暑でクルマに乗り込むこともためらう季節。車内を一刻も冷やしたいのにまさかのエアコン不調……。そんな恐ろしいトラブルが発生した時の対処をどうするか、修理費用の相場も含めてご紹介します。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC
■安価で済むエアコンガスの補充をしてみよう
カーエアコンの大まかな仕組みはエアコンガスをコンプレッサーによって高温・高圧の液体に圧縮し、それを気化させることで冷風を作り、送り出すというもの。そのため、エアコンの冷えが悪い原因はエアコンガスの不足か、冷風を作り出すための装置の故障が考えられる。
最も多いケースがエアコンガスの漏れ。エアコン内部は気密性が高く、通常は漏れることはほとんどないが、年数が経ったクルマは、振動やガス管の経年劣化による亀裂などによってガスが不足してしまうことがある。この場合はエアコンガスの補充で対処が可能。費用は3~5千円程度が相場で、ガスの補充量によって費用が変動する。
ガスを補充しても改善しない場合はコンプレッサーなどの装置の故障が疑わしいが、補充直後は冷えていても、数週間後にエアコン不調が再発するようであれば、エアコンガスが漏れていると考えられる。いずれにせよ、ガスの補充は安価で施工時間も短い。一般的なカーショップでも対応可能なので、ガスの補充から試してみるといいだろう。
■装置の故障は専門業者の作業で修理費用も高額に
ガスの補充で改善しない場合は冷たい空気を作り出す装置の修理、交換が必要になる。代表的な装置はコンプレッサー、コンデンサー、エバポレーターと呼ばれるもの。正常に作動しないケースや、装置からガス漏れしているケースの他、風自体が出てこない場合はファンモーター(ブロアモーター)の故障なども散見される。
装置自体が高額な上に、作業工程も多く、修理費用がかさむ傾向で、どれか1つでも5万円前後はかかるため、複数の装置が故障している場合はかなりの出費を要する。
また、装置間をつなぐガス管からの漏れや詰まりなどもあり、専門業者でないと対処できない場合が多い。ちなみにガス管からのガス漏れ修理の費用相場は2~4万円程だ。
以上のようにエアコンには多くの部品が使われており、修理には専門知識が必要になることも珍しくない。そのため、カーショップやカーディーラーに修理を依頼しても専門業者へ外注する場合が多い。
その一方で専門業者は年々減っており、繁忙期は長期の作業待ちとなる。来季は暑くなる前にエアコンの点検をし、早めに対処しておくことをオススメする。
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