厳しい夏の暑さは、人にとってもダメージが大きいですが、クルマにとってもつらいもの。知らず知らずのうちにダメージが蓄積されていき、気づいた時にはもう手遅れ、なんてことにも。暑すぎる夏のダメージから愛車を守る方法をいくつかご紹介しましょう。

文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Rosie/写真:Adobe Stock、写真AC

タイヤの空気圧を適正に保つ

 夏の暑さでダメージを受けやすいのがタイヤです。ゴム製品であるタイヤは、路面からの熱に加えて、走行による摩擦熱も加わるため、特に夏場は摩耗や劣化が進みやすいのです。実際、JAFに寄せられる救援要請も、タイヤのトラブルでの出動は、年末年始よりも、お盆の時期のほうが、救援要請全体に対して割合が多い傾向にあります。

 路面の熱も走行による摩擦熱も、防ぎようがありませんが、空気圧を適正に保つことで、タイヤへのダメージを最小限に食い止めることは可能。タイヤは、空気圧が低ければ走行時のタイヤのたわみが大きくなることで過熱していき、最悪の場合はバースト(破裂)に至ってしまい、空気圧が高いと今度は衝撃を吸収しにくくなります。気温の上昇によって、夏は空気圧が高くなる傾向があります。適正な空気圧を保つことは、夏場に限らず、重要なことではありますが、夏は特にタイヤ空気圧を気にするようにしてください。なお空気圧チェックは冷間時(走行を始める前、もしくは高速走行をする前)に行うようにしましょう。

ゴム製品であるタイヤは、熱の影響を受けやすい部品。特に夏は、路面からの熱に加えて走行による摩擦熱も加わるため、劣化が進みやすい(PHOTO:Adobe Stock_Enka)
適正な空気圧を保つことは、夏場に限らず重要だが、ダメージを最小限にするため、夏は特にタイヤ空気圧を気にするようにしたい(PHOTO:Adobe Stock_KMPZZZ)

洗車の際はウォータースポットに注意!!

 夏の強烈な日差しのもとでは、ボディ塗装面の退色や劣化が気になるところですが、クルマの表面のクリア塗装はかなり強いため、そこまで気にする必要はありません。ただ、洗車する際には注意が必要。真夏の強い日差しのなかでの洗車では、ボディ表面に付いた水滴がレンズの役割となって日光を集め、ボディの塗装面を焼いてしまい、クレーターのような凹凸ができてしまうことがあるのです。

 「ウォータースポット」とよばれるものですが、特に黒や青のような濃いボディカラーであるほど、熱を集めやすく、水分の蒸発が早くなるため、ウォータースポットになりやすいです。そのため夏の洗車タイミングは、できれば曇りの日や、日差しの弱い早朝もしくは夕方以降に行い、拭き上げも素早く行うことが必要。大きめのマイクロファイバータオルを用意して、時間をおかずにサッと拭き上げするようにしてください。

イオンデポジットは、濡れタオルなどで拭き取れば取り除けるが、ウォータースポットは塗装面へダメージを与えているため、塗装面を研磨しないと取り除くことは難しい(PHOTO:写真AC_四季空)

インテリアの劣化を防ぐため、日よけは必須!!

 夏の強烈な日差しは、車内にも影響を及ぼします。昨今のクルマは、UVカットガラスが採用されており、紫外線は高い確率でカットされていますが、クルマの内装には、さまざまな素材が使われているため、すこしでもいい状態をキープするためには、日よけをしておきたいところ。もちろんちょっとやそっとでは劣化しないものが使われていますが、炎天下にクルマを止めるときなどは、気にしておきたいところです。

 インテリアではまた、知らず知らずのうちにシートにしみこんでしまう汗にも注意が必要。ファブリックシートのシミや色あせ、においを防ぐため、こまめな清掃も忘れないようにしたいところです。

知らず知らずのうちにシートにしみこんでしまう、汗によるシートの色あせやにおいを防ぐため、こまめな清掃も忘れないようにしたい(PHOTO:Adobe Stock_Ahmed)

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 まだまだ続きそうなこの暑さ。人もクルマも油断することなく対策し、暑い夏を乗り切りましょう。

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