日本車はかつてさまざまな外車を模範としつつ、欧米のクルマに負けないレベルに発展したワケだが、そんな日本車が師と仰ぐと“思われる”クルマを勝手に紹介!!(本稿は「ベストカー」2013年6月26日号に掲載した記事の再録版となります)

構成:編集部

■マルチリンクサス

メルセデス190E。クルマとしても従来のメルセデスのイメージを変えるスポーティさが売りだった

 走行性能に大きな影響を及ぼす足回りの話。BMW1500のストラット、セミトレ採用以降、多くの高性能車にこのサスレイアウトが見られたが、その流れが1980年代後半から変わってくる。

「メルセデス190Eがリアサスにマルチリンクを採用したことで新たな流れができ、例えばS13シルビアやR32スカイラインにもマルチリンクが採用された」(鈴木氏)

 後輪駆動車の足回りの世界でマルチリンクが普及したそのルーツとして190Eは忘れちゃいかんモデルなんですね!

■アイドリングストップ

トヨタ 2代目スターレット。1880年代にアイドルストップ搭載は先見の明があったが当時は流行らなかった

 燃費競争が過熱する昨今では、アイドリングストップは一般的な装備となってきているが、その元祖、国産乗用車で初めてアイドリングストップ機構を採用したのが2代目のトヨタスターレットで1980年代のことだ。

 今から約30年も前にアイドリングストップのルーツがあったことになる!(当時は流行らなかったけど……)

 本格的にアイドリングストップ機構が国産車種のラインナップに出てきたのは最近のこと。例えばマツダは2009年、「i-stop」をアクセラに採用したことを皮切りにデミオやCX-5、アテンザなど採用するラインナップを増やしてきている。

 国産メーカーよりもこの分野では欧州車が一歩進んでいて、ポルシェやBMW、ベンツなどはほとんど採用ずみ。発売されたばかりのV40でボルボは初めてアイドリングストップ機構を取り入れた。

 そんな時代の流れにあって不思議なのがトヨタのアイドリングストップに対する姿勢。スターレットでいち早くこの機構を採用したのは前述のとおりだが、意外と標準での採用車種が少なかったりする。

 鈴木氏はそのへんの事情を、

「エコカー減税に入るか否かというビジネス的な判断もあるからねえ」

 と言うが、世界のトヨタなんだから「全車標準装備します!」くらい言ってほしいものと担当は思いますけどね!

■ヒルスタートシステム

トヨタ初のヒルスタートシステム採用車となったランドクルーザー200

 坂道のスムーズな発進を補助するヒルスタートアシスト。最近は特にMTにこの機構が付く車種が増えている。

 坂道発進の際にクルマが後退するのを防ぐ装置は、ありがたいという人もいれば、生粋のMT派からは、

「クルマを自分で操ってる感が好きなんだよ! だいたいこれがなくても後ろに下がるわけないだろ!!」という突っ込みが入りそうだが、これも時代の流れですかねえ。いまやインプのSTIにも付いているというから驚き!

 またトラックではその用途からいすゞのスムーサーGをはじめ採用例が多い。SUVでも同様に採用例が多く、トヨタ初の同システム採用は2007年9月のランドクルーザー200から。

 スポーツモデルのMTの場合とは違ってSUVにとっては実用上、重要な装備といえそうだ。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。