パナソニックオートモーティブシステムズは8月30日、超小型衛星「CURTIS」が車載カメラの宇宙実証に成功した、と発表した。車載カメラの実証により得られた画像を公開している。

パナソニックホールディングスとパナソニックオペレーショナルエクセレンスは2024年4月、国立大学法人九州工業大学との共同研究で設計・製造した3Uサイズ(10cm x 10cm x 30cm)の超小型人工衛星「CURTIS」を国際宇宙ステーション(ISS)から放出し、パナソニックグループの部品やコンポーネンツの宇宙空間での技術実証を行っている。今回、搭載されているパナソニックオートモーティブシステムズの車載カメラの実証により得られた画像が公開された。

人工衛星や宇宙機器には様々な電子部品が搭載されることが想定される中、地上で利用されている車載カメラを用いて宇宙空間での静止画及び動画撮影の実証が行われた。宇宙空間や地球上空からの撮影、ならびにISSから放出された20秒後に行ったISSの撮影にも成功した。技術実証を通じ、宇宙用途として転用できる可能性を検証していく。

パナソニックの車載カメラの宇宙実証に成功。超小型衛星「CURTIS」から撮影した画像

車載カメラは、スマートフォンやデジタルカメラとは異なり、軽量でありながら、低温から高温までの幅広い温度条件範囲での使用や、防塵・防滴、振動・衝撃に対する高信頼性が求められる。また、宇宙空間での技術実証にあたり、熱真空試験、振動試験、放射線照射試験などの地上での信頼性試験に合格している。

今回の実証に使用された車載カメラは、HDR対応260万画素CMOSセンサーを採用し、ローカルトーンマッピング技術により白飛びや黒つぶれを防止し、適正なコントラストを実現している。さらに、低遅延、非圧縮の高速LVDS同軸デジタル伝送が可能で、動作温度範囲はマイナス30度からプラス85度だ。

この成果の一部は、経済産業省の産業技術実用化開発事業費補助金や情報処理・サービス・製造産業振興研究開発等事業費補助金を活用した研究開発において得られたものだ。パナソニックは今後も、宇宙空間での技術実証を通じて、車載カメラの新たな可能性を探求し続ける予定だ。

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