AT限定普通免許で運転できる小型ディーゼルトラックとして注目を集める、いすゞエルフミオ。9月10〜13日開催の国際物流総合展2024では、冷凍車大手のトプレックが製作したエルフミオベースの冷凍車の1号車が初公開された。冷凍車最大手メーカーが提案する「誰でも冷凍車」の実力とは?
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
国内初のエルフミオディーゼル車ベースの冷凍車
エルフミオは、いすゞ自動車が発売するAT限定普通免許で運転できる小型トラック。2024年1月にEVモデルが先行発売され、同年7月に主力のディーゼルエンジン搭載モデルが発売された。
通常のエルフとの大きな違いは1.9リットルディーゼルエンジン+6速トルコンATを搭載する点で、これにより車両総重量3.5トン未満を実現。現行のAT限定普通免許での運転を可能としている。
今回紹介するのは、このエルフミオをベースとする冷凍車。冷凍車は食品など温度管理が必要な荷物を運ぶトラックで、断熱構造のボディと冷凍機を備える。ちなみにエルフミオベースの冷凍車は国内初だ。
製作したのは大手冷凍車メーカーのトプレック。同社は自動車プレス部品や冷凍機のメーカーとして知られる東プレのグループ会社で、冷凍車架装のほか冷凍/冷蔵倉庫の設計/施工も行なっている。
2トン車と同等の庫内寸法と最大積載量800kgというスペック
ベース車両はエルフミオのディーゼルエンジン搭載車のシングルキャブモデル(NHR87AF)。アルミサンドイッチパネル製ボディは2トン車用がベースで、なるべく積載量を減らさないよう艤装品を必要最小限に抑えるなど工夫したという。
保冷性能を左右する断熱厚はフロント/ルーフ/サイド/フロア/リアともに75mmで2トン車用と同等。庫内寸法は内法長3300×内法幅1690×内法高1690mmで、最大積載量は800kgだ。
冷凍機は東プレ製の直結式1エバポレーターモデル(XV21L0C)で、間仕切りで庫内を2室に分割可能(2室仕様)。設定温度は前室がマイナス18度まで、後室がプラス5度までとなっている。
ボディ左側の扉は新型低温仕様ワンタッチスライドドアを採用。ワンタッチスライドドアは専用スマートキーでドアの施錠/解錠ができるもの。新開発の「低温仕様」はドア周辺の構造の見直し、およびパッキンの装着で結露を発生しにくくしているものだ。
なお同車両は埼玉の食品物流大手、アサヒロジスティクスが運用する。荷箱寸法は従来の2トン車と同等だが、最大積載量は半分以下となるため、どのような運用を行なうのかも気になるところである。
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