豊田合成は、車内の静粛性向上を目指し、シーリング部品(ウェザストリップ)の組み合わせに応じた「車内の音の変化を体感できる」新たなシステムを開発した、と発表した。

電気自動車や燃料電池車はモーターで駆動するため、エンジン音がなくなり静粛性が増す一方、風切り音やロードノイズが耳につきやすくなる。このため、搭載部品の遮音性向上が求められている。豊田合成はこのニーズに対応するため、騒音の侵入を防ぐシーリング部品の性能向上に注力している。

今回開発されたシステムでは、新型車に搭載する部品の形状などを決める前の段階で、開発中のシーリング部品を搭載した際の走行中の音の聞こえ方を体感できる。これにより、最適な部品の組み合わせを提案し、より静かな車内空間づくりに貢献する。また、従来の試作車両での性能評価時に生じていた部品の設計変更が最小限になり、開発工数の低減が期待できる。

このシステムは、豊田合成がこれまで培ってきた音の実測評価技術を活用して実現した。今後は人工知能(AI)による機械学習を組み合わせて予測精度をさらに高め、部品の試作前でも音の聞こえ方を予測・再現できるようにする計画だ。

豊田合成は、車両開発の早期段階で静粛性を高める製品を提案し、より静かで快適なモビリティ社会の実現を目指していく。

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