今年(2013年)5月14日に新型のISが発売開始するなど日本のプレミアムカーブランドとして世界を相手に存在感を見せつつあるレクサス。その新型ISの発表会でもうひとつお披露目されたものがある。それはレクサスの自転車だ。(本稿は「ベストカー」2013年8月10日号に掲載した記事の再録版となります)

文:編集部

■価格は100万円!

カラーリングは白と黒の2種類が用意される。総重量は7kgと非常に軽量

 レクサスが超高級自転車を導入していることをみなさんはご存じだっただろうか?

 高級自転車といえばBMWやポルシェなども販売しており、レクサス自身も過去に自転車を製作したことがあった。

 だが、今回取り上げる“レクサスバイク”は、さまざまなこだわりが詰まった本格派のロードバイクという意味で一線を画していると担当は感じた。

前輪付近のフレーム部分には「F SPORT」のロゴも。こういう細かな部分も雰囲気を演出する

 そもそもどうしてレクサスが自転車を販売したのか? レクサス企画部販売計画室の渡邉直樹氏によると、

「レクサスのブランドとしてのイメージを上げるひとつのツールとして提案させていただきました。また、クルマに対して興味のない方にもレクサスに興味を持っていただくようアピールする狙いもあります」

 とのこと。トピックとなるのはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使ったフレーム。

 このCFRP=カーボンのフレーム製作は欧州の有名自転車メーカー、オルベアなどにOEMで自転車を供給し、レクサスのゴルフセット「レクサスドライバー」の製作にも携わった大田精密工業に委託したそうだが、より塗装品質を上げるため、レクサス側が手を加えることになったのだ。

 その修正点数はなんと1本のフレームに対して20~30カ所にも及ぶという。

サドルにはselle italiaの文字。カーボンサドルなどを世界に先駆け発売したサドルメーカーの老舗

 実はこの塗装品質と組み付けに関してはトヨタ自動車元町工場のLFA工房の職人が携わっている。

 この工房の職人はなんと5万人のなかから選ばれた約170人の精鋭で、レクサスバイクに携わったのはここからさらに選りすぐられた数名の職人だ。

LFA工房の職人による丁寧な塗装仕上げが“レクサス品質”を確保する

 匠によって仕上げられた自転車の総重量はたったの7kgしかなく、小指一本で持ち上げられる(!?)ほどの軽量ぶり。

 また変速機は「世界の」シマノ製電動変速機「DURA-ACE」の最新バージョンを採用する。

変速機はシマノの電動変速機、DURA-ACEの最新版。素早く精密な変速を実現する優れモノ

 このようにこだわり抜かれ、製作された自転車とあってあの豊田章男社長も大変気に入っているというほどだ。

 気になる価格は100万円(税抜)。確かに高価だが、それでも注目度は高い。

 ではどのような人がレクサスバイクに興味を持っているのか。やっぱりレクサス車ユーザーが多いのか? 前出の渡邉氏によると、

「レクサス車をお持ちの方に限らず、純粋に自転車が好きな方にもご購入いただいています」

 とのこと。レクサスバイクは“ホンモノ”を求める自転車マニアからも好評! レクサスディーラー(一部店舗)で展示しているので、一見の価値ありだ。

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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