今や電動メタルトップは珍しいものではないが、バブル経済全盛だった1989年4月、国産車初の電動メタルトップを持つソアラエアロキャビンが誕生。世はバブル経済の真っ只中、ソアラに輪をかけてゴージャスな限定500台のスペシャルモデルだった。はたしてこのソアラエアロキャビンは今買えるのか?

文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ

■後席を潰した2シーター電動メタルトップオープン

1989年4月、2シーターのオープンモデル「エアロキャビン」が500台限定で発売された

 初代、そして2代目ソアラはハイソカーブームのど真ん中のいる、まさに憧れのクルマだった。電子制御エアサスペンションやイージーアクセスドア、スペースビジョンメーター、マルチコントロールパネルなど数々のトヨタの最新技術が投入された。

 1986年から始まったバブル経済が絶頂期を迎えた1989年4月、2代目ソアラに、500台限定車の「3.0GTエアロキャビン」が発売された。

 ソアラエアロキャビンは、国産車初の電動メタルトップ搭載車として注目された。しかし、後に登場したメルセデスベンツSLKやレクサスSCがフルオープンになるのに対し、エアロキャビンは窓枠やCピラーが残る、実に不思議なスタイル。がばっとトランクが開いてルーフとウインドウが動くスタイルは実にキュッチュだ。しかし、開閉時間は他の電動メタルトップ車と比べ遅い。

 標準仕様のソアラは5人乗りだが、ルーフの開閉のため2人乗りとなり、リアシートの部分は収納ボックス。リアガラスに誇らしげに「AEROCABIN」と刻まれている。搭載されたエンジンは7M-GTEU型の3L、直6ターボエンジンで、最高出力は240psを発生。同時期のスープラにも積まれた。

エアロキャビンのルーフとリアウインドウは電動で開閉する

■ソアラエアロキャビンの中古車相場は?

リアガラスとルーフが電動で折りたたまれるが、オープン時もCピラーとドア窓枠はそのまま残る

 ソアラ3.0GTエアロキャビンの新車価格は430万9000円。2.0GTツインターボが332万円、3.0GTが321万円、3.0GTリミテッドが386万5000円ということを考えるとかなりの割高だ。

 500台限定だから、もう残っていないかと諦め気味で、大手中古車検索サイトを調べて見ると、なんと3台も流通していた。ただ、そのうち2台が価格応談(11.8万km、9.6万km)、1台が10.3万kmで209万円だった。

 2代目ソアラの中古車相場は約80万~460万円、中古車流通台数は50台以上と意外に豊富。それを考えると、エアロキャビンの209万円というのは安く感じるのは気のせいか。

 ウルトラスムーズな7Mの3L、直6も魅力的。電動メタルトップが故障したら直せるのかをいう不安はあるが、欲しい人は見つけたら即買いかもしれない。

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