カーナビやドライブレコーダーなどをワンボディにまとめた「複合型車載器」がパイオニアの「NP1」。発売直後に自腹購入し使い続けてきた「NP1」もすでに2年半の付き合いになる。今回最新のアップデートと共に改めて自分のカーライフにどういう影響を与えてくれたのかを検証してみた。

文:高山正寛/写真:高山正寛、ベストカーWeb編集部

■改めてサクッと「NP1」のおさらいを・・・

高山正寛氏とパイオニアNP1

 2022年3月、まさに“鳴り物入り”で発表された「NP1」。簡単に言ってしまうと、ワンボディに「スマート音声ナビ」「クラウドドライブレコーダー」「クルマWi-Fi」(要契約)「もっとカーライフ++」を搭載。さらにこれらをサポートするスマホアプリ「My NP1」で構成される。

アルファードにもバッチリ取り付けられるNP1。ドラレコ機能で安全・安心なドライブが楽しめる

 個々の機能に関しては後述するが、発売日にこの商品の魅力に“ロマン”を感じてしまい、ガマンできずに記者発表会の途中でオーダーしてしまったのが懐かしい・・・(それでも予約Noは1800番台だった)。

 さて、そんな「NP1」も購入してから2年半が経過した。愛車であるフィアット500Cは前期モデルということもあり、カーナビやDA(ディスプレイオーディオ)の設定自体がそもそもない。だからこそ、オールinワンで全てが満たされる「NP1」は自分に取っても“最適解”と今でも思っている。

高山氏のフィアット500C。市販ナビが取り付けられない輸入車にとって、NP1は救世主だ

 すっかり自分のカーライフの一部になっている「NP1」だが、今回改めて愛車とデモカーの「NP1×2台体制」でドライブに出かけてみた。

■スマート音声ナビ:自宅で目的地を設定することでストレスフリーで出発可能

海ほたるPA

 最初の目的地は編集部のT氏と待ち合わせるために「海ほたるPA」になったのだが、実は自宅からここまで東京or千葉、どちらから回るのか悩む距離だった(筆者は千葉県在住)。

 予め出発時間も決めておきたかったこともあり、クルマに乗る前に無料のスマホ用アプリである「My NP1」から目的地を設定することにする。まあ、いつものルーチンでは有るが、意外だったのは千葉回りルートの方が近いと思ったのにアプリ側が推奨してきたのは東京回り。

スマホ用アプリである「My NP1」から行く先を予約できる

 ルート自体は納得感のあるもので、これを予約することで乗車時に「NP1」に転送されるのですぐに出発できる。クルマに乗ってから目的地設定をするのは意外とストレスだったりするのでシームレスなUIは相変わらず使いやすい。

 「NP1」は基本音声でナビゲーションも完結できる仕様だが、前述したアプリ上に地図画面を表示したり、デモカーにはDAが搭載されていたので、スマホに応じてAppleの「CarPlay」とGoogleの「Android Auto」にも対応する。

■今回の目玉機能はドラレコのアップデート

フィアット500Cに搭載したNP1からデモカーのアルファードを撮影

 これまで5回の大型アップデートを行い、文字通り「進化するデバイス」として認知されてきた「NP1」だが、元々大型アップデートは年4回は必ず行う(その他にも細かなアップデートを実施済み)と明言している。

 そして今回は9月26日に新機能として音声によるドライブレコーダーの撮影・録画機能が強化された点にある。

 元々「NP1」のドライブレコーダー機能は音声によるコントロールが可能。基本は自動でお任せだが、「NP1動画(写真)撮って」というボイスコマンドで操作ができる点がまさに「NP1」らしい機能のひとつと言える。

NP1はアップデートで車内の静止画の撮影が可能になった(※画像はイメージです)

 細かいことだが、このボイスコマンド、これまでは動画の場合、前方の景色と室内を同時に録画出来たのだが、静止画に関しては前方のみ撮影する仕様となっていた。そこで今回のアップデートは静止画でも車内の状態を撮影できるようになった。

 簡単に言ってしまえば、せっかくドライブに出かけたのに盛り上がっている車内の写真も欲しいのは当たり前の気持ちだろう。

 ここでポイントとなるのが「NP1」のドライブレコーダーは通信を使った「クラウド型」という点にある。静止画/動画を問わずデータは本体にセットしたSDカードの他、サーバーに送信される。つまりここから前述した「My NP1」アプリを使うことですぐに確認、さらにスマートフォンにダウンロードすることも可能なのだ。

 ドライブ中の車内撮影なんてスマホ使えばOKじゃないの?という意見も分かるが「NP1」の場合、ドライバーも含めた乗員全員がボイスコマンドだけで写真をガンガン撮影できる点は利便性も含めてドライブ時に盛り上がることは間違いない。

■ドライブに新たな発見をプラスしてくれる

「Android Auto」を使ってスマホアプリの画像をアルファードのディスプレイに表示した

 海ほたるへ出発して、再度目的地を木更津市内に設定。デモカーにはDAが装着されているので「Android Auto」を使って画面を表示してみた。DA側のディスプレイが大画面であればスマホ以上に画面は見やすくなるし、何よりもこれまでのカーナビ同様に見慣れた横長表示に地図が表示される点もありがたい。

 また走行中にこれも「NP1」ではおなじみの「ドライブトピック」と呼ばれる機能が作動した。

 これは現在地を中心に周辺の人気スポットやレストランなどの情報を音声と画面へのインサートで教えてくれるものだが「NP1」からはすぐ近くにある「三井アウトレットパーク」が案内された。

NP1がおすすめしてくれた三井アウトレットパーク木更津に到着

 この機能は人気スポットや観光情報などを「るるぶ」や「いこーよ」などが持つ4.3万件以上の情報から“厳選”して届けてくるものだ。

 そう、まさに“厳選”なのである。筆者は気持ち的には設定した目的地に向かっていたのだが、この案内で「あ、そういえばあったよね」という気づきがあり、寄り道感覚で立ち寄ってみた。ちょうどイベントなども行われており「NP1」が教えてくれなかったらそのままスルーしていたことだろう。

 ポイントとしてはドライバーは特別な操作をせずに「NP1」側が自動で情報を配信してくれるという点。もちろん立ち寄らなくても配信されたスポット情報は「My NP1」アプリで確認できるので保存しておくことで別の日のおでかけなどにも活用することができる。

■NP1を支えるコア技術、それが「通信」

docomo in Car Connectと契約すれば、車内からWi-Fiを利用してインターネットに接続可能。高品質な通信が使い放題だ

 この他にも車内でのエンターテインメント性を一気に高める「クルマWi-Fi」も外せない機能だ。

 「docomo in Car Connect」と呼ばれるサービス(有償)と契約することで定額使い放題となる機能だが、これが本当に便利なのだ。

 個人的には契約しているサブスクの音楽配信サービスを通信料を気にせず楽しんでいる。またファミリーのお出かけ時などにゲーム機や動画配信などを楽しむ際にも相性は抜群だ。

移動中にYouTube動画も問題なく楽しめる!! アクアラインのトンネルの中でも問題なかった

 何よりも通信品質の高いドコモのネットワークを使うことで走行中も本当に安定している。過去にモバイルWi-Fiルーターと並列して実走テストをした事もあるが、安定した受信感度や実速度の点でも「NP1」は優れていた。

 ここまで「NP1」の各機能について触れてきたが、結局「NP1」の魅力は「通信」に集約される。

 地図の自動更新やサーバー側が探索してくれる高品質のルート提案やドラレコ/Wi-Fiなど全てが「通信ありき」。コア技術としての「通信」がドライバーを含めた乗員全員に「ドライブにおける感動体験」を提供してくれる。目に見えない電波(通信)だが、バックグランドでしっかり“いい仕事”をしてくれるわけだ。

■結論:NP1は進化を止めない

NP1のスピーカー部分には光るバーが供えられ、発話内容によって異なる光で反応する

 当たり前の話だが、スマホでもPCでも世の中に出回っているIT系機器の進化スピードは極めて早く、1年経てば“旧型”と言われるほどだ。

 しかし前述した通り「NP1」は発売からすでに2年半を経過したのに機能はますます増え続けている。正直これは凄い事で、今回のアップデートに関しても従来以上にエンタメ性を付加したことで新たなドライブ体験が得られることは間違いないだろう。

 まさに「進化し続けるモビリティデバイス」。ドライブにおける頼もしい“相棒”としても「NP1」の歩みはまだまだ止まらないと感じている。

お問い合わせ:NPサポートセンター0120-599-120

リンク先:パイオニア公式オンラインショップ

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