これまで様々な車種で販売競争を繰り広げてきた日産とホンダ。1997年、パワーウォーズを展開していたテンロクホットハッチの覇者・ホンダ シビックタイプRに対抗したのが日産 パルサーVZ-R N1だった。この記事では、この2台を比較し懐かしい過去を振り返っていく。
※本稿は2024年8月のものです
文:松田秀士/写真:ベストカー編集部、日産、ホンダ
初出:『ベストカー』2024年9月26日号
■日産 パルサーセリエ VZ-R N1 vs 初代ホンダ シビックタイプR
1990年代はホットハッチに湧いた! 印象的だったのが日産 パルサーVZ-R N1。コンパクトボディに1.6L。当時シビックタイプRがレースに積極的だったのでパルサーVZ-R N1はあまり語り継がれていないが、かなりスゴッ! というモデルだった。
タイプRのエンジンはB16B型で185ps。6100rpmでハイカムに切り替わり9000rpmまで一気に回る凄いVTEC。
対するVZ-R N1はSR16VE型(SR20型のショートストローク版)で、NEO VVLというシビックと同じく可変バルブタイミング&リフト機構を採用。
当時印象に残っているのがこのエンジン。VTECが前述のとおり2段階なのに対して、NEO VVLはまず5000rpmで吸気側のカムが切り替わり、その後7000rpmで排気側のカムが切り替わる3段階の緻密な切り替え方式。
VTECはその6100rpmでドンという切り替わり時のトルクの谷間があったが、NEO VVLはスムーズに切り替わり、コーナーの立ち上がりでもFFのトルクステアを極力抑えてくれた。しかもNEO VVLは11.0という高圧縮比で200ps!!
N1という記号は当時のN1耐久レース用のベース車両の意味なので装備は質素。サスは交換を前提に安モンが付いていた。だからコーナーはそこそこだったけど、バツグンのポテンシャルを持ったホットハッチだったね。
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