ホンダのスポーツグレードと聞いて多くの人が思い浮かべるのがタイプRだろう。しかし、最近発表されたRSのようにホンダには、タイプR以外にも様々なスポーツグレード/モデルが存在するのだ! そこで、今回はタイプR以外のホンダスポーツを振り返ってみよう。

文:西川 昇吾/写真:ベストカーWeb編集部

■RSモデルとは??

最新型シビックに搭載されるグレード、RSには意味が込められているだとか

 まず、最近話題となっているRSだ。RSの登場は1974年に遡る。初代シビックに追加グレードとして登場したのだ。シビックに比べてパワーアップとサスペンションの強化、当時シビック唯一の5速ミッションなどが採用された。

 そして、RSに「ロード・セーリング」の意味が与えられた。「ロード」は道で、「セーリング」は帆走を意味していて、RSは水上を流れるような気持ち良さで道路を走る…そんなイメージで作られたクルマに与えられたネームだったのだ。

 その後もフィットやN-ONEなどにRSグレードが与えられ、日々の走行を気持ちよく、楽しく彩ってくるグレードとして多くのファンを生んでいる。

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■タイプRのご先祖!? SiRモデル!!

4代目シビック。通称”グランドシビック”と呼ばれるこのクルマからVTECが登場した

 タイプRが登場する前のホンダスポーツと言えば「SiR」だ。もともと、80年代のDOHCエンジン搭載車には「Si」というグレード名が与えられていた。(当時はDOHCも高性能の代名詞であった)

 そんな時代の終わりとなる1989年、4代目シビックにVTECを備えた新型エンジンB16Aを搭載した、Siをより進化させたグレードが登場する。そのグレードこそSiRなのだ。

 ちなみにインテグラでVTECを搭載されたグレードはSiRが冠されなかった。以降5代目、6代目ではシビックのVTEC搭載グレードとしてSiRの名が冠されていくこととなった。

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■タイプRとは違う良さ!! タイプSモデル

NSXの発売当初は衝撃が走った

 タイプRがサーキットでの速さを追求したモデルならば、ワインディングでの楽しさを追求したグレードがある。それがタイプSだ。その初登場は1997年となっていて、先のRSやSiRと比べると割と最近と言える。

 1997年にNSXはビックマイナーチェンジを行い、3.2Lに排気量が拡大されトランスミッションも5速から6速となった。この時追加されたのがタイプSだ。

 ノーマルグレードよりもスポーティな味付けであったが、タイプRとは異なり速さよりもドライビングの楽しさを求めたグレードと言える。以降、S2000や2代目NSX、最終型のインテグラなどでタイプSは採用された。

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■ホンダ流の複数回答

こちらはホンダが生んだモンスターオープンスポーツカー”S2000″だ

 タイプRが特別であると同時に、RSやSiR、タイプSもまた特別なグレードであるのは間違いない。それはホンダが考える「スポーティな走り」「運転の楽しさ」には様々考え方やアプローチが証と言えるだろう。

 どんなスポーティが自身にピッタリとハマるのか?運転好きやクルマ好きからどんなコンセプトが求められているのか? その需要を常に考えているホンダらしい回答が、複数の伝統のあるスポーツグレードといった具合ではないだろうか?

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