フィーリングにぴったりのスピーカーに出会った沢田さんは、それに合わせたパワーアンプ、DSP、サブウーファーなどのシステムを構築することを目指す。青森県のingraphが大量のユニットをトヨタ『ハリアー』のラゲッジに美しくインストールしたので注目した。
◆スピーカーの良さを引き出すユニットを選び
ラゲッジに美しくレイアウトしてインストール
コンテストをターゲットにして長年熟成を重ねてきた沢田さんのハリアー。狙い通りの艶やかなサウンドが完成した。ラゲッジのインストールは見事な仕上がり。モスコニのパワーアンプやリゾルトのDSPなどが左右対称にレイアウトされている。
手前にはサブウーファー、DSP、レギュレーターのセクション、奥にはパワーアンプ×3台のセクションを設ける構成。システムアップやスピーカー交換をすることで熟成を重ねてきた沢田さんのハリアー。昨2023年、フロントスピーカーにイートンコアを選んでから、このスピーカーの良さを引き出すためのシステムに変更することにした。デモボードでいくつものパワーアンプ、DSPを試した上で選んだのはDSPにリゾルトのT-DSP MK2、パワーアンプにはモスコニのZERO4×3台を選び出した。
この組み合わせの良さはズバリ“艶っぽさ”だ。イートンコアが持っている艶感をさらに引き出すことができるシステム構成にすることがオーナーの狙いだった。さらにサブウーファーにグラウンドゼロのGZPWリファレンス250をチョイスしたことで、深みのある低音を加えて中高域との融合を図った。こうしてオーナー好みの音をイートンコアを中心に作り出したのだ。
パワーアンプやDSP、サブウーファーをインストールしたラゲッジスペースはデザイン的にも絶品の仕上がりとなった。ラゲッジの奥に3台のモスコニを縦置きして並べるレイアウトを採用。手前に別セクションを設けてDSPとサブウーファー、レギュレーターを整然とインストールするスタイル。ホワイトの人工スエードのベースパネルに、シルバー&ダーク色の各ユニットが映えるデザインとした。
◆艶感やナチュラルサウンドを大切に
パワーアンプやDSPをセレクトしていく
選んだパワーアンプはモスコニZERO4×3台。イートンコア3ウェイとサブウーファーをすべて〃パワーアンプでドライブする。DSPも様々なモデルの中から選び出したオーナーお気に入りの逸品。リゾルトT-DSP MK2も空間表現や艶感を大切にした選択になった。サブウーファーには“深い低音”を再生できるユニットしてグラウンドゼロのGZPWリファレンス250を選びフロアに埋め込む。先にも紹介した通り、オーナーがお気に入りとなったフロントスピーカーであるイートンコアの良さを引き出すため選ばれたパワーアンプ&DSP。パワーアンプにはモスコニのZERO4・3台をシステムに組み込んだ。ミッドレンジ、ミッドバスに対して2台ずつ(各ブリッジ接続)、ツイーターとサブウーファーに対して1台のZERO4を割り当てるというシステム。イートンコアらしさを十二分に引き出すことができるパワーアンプとなった。
さらにDSPにはリゾルトのT-DSP MK2をチョイス。8チャンネルの調整を可能にする同モデルでフロント3ウェイ+サブウーファーをコントロールしている。こちらもイートンコアの良さを引き出すことを念頭に選んだユニット。調整能力の高さはもちろん、解像度の高いナチュラルサウンドを引き出すのにも一役買う。
サブウーファーにはグラウンドゼロのGZPWリファレンス250をインストール。フロアにフラットに組まれラゲッジの積載性能も考慮した作り。試聴した上で深い低音が出ることを確認した上でチョイスした。こちらもイートンコアのサウンドをサポートするのに似合いのユニットであることがセレクトの理由となった。
◆フラットにインストールされたラゲッジ
映えるデザイン&レイアウトなのが見どころ
プロテクションボードも美しく処理される。サブウーファー部分の音抜けも考慮され荷物積載時でも高音質を楽しめる。ラゲッジフロアにはホワイト系の人工スエードをベースにしてパネルを積層して仕上げられている。SUVの大型ラゲッジをムダにしないために、しっかりしたプロテクションを施して積載性も犠牲にしていない。インストール面でもラゲッジは見どころたっぷりだ。ホワイト系の人工スエードを使ったベースパネルを設けて各ユニットをビルトイン。各ユニットを取り付けるスペースは一段落とし込んだ上でユニットを設置して、プロテクションカバーを設置することを考慮した作りとなっている。
さらに前方のパワーアンプ部のプロテクションボードにはカーペット仕様として純正内装とマッチさせている。対してサブウーファー側にはサランネットを使ったフィニッシュを施しているのも機能美となっている。
数多くのユニットをレイアウトしたラゲッジはデザイン性でもクオリティの高い仕上がりとなった。サウンドの良さはもちろん、取り付けでも上質な仕上がりを求めるオーナーの望みを叶えるフィニッシュとなった。次回の後編ではオーナー渾身のフロントまわりについて紹介して行くこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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