永遠のライバルとも称される超名門メーカー、ポルシェとフェラーリ。ここでは両社の公表されているデータをピックアップし比較する!(本稿は「ベストカー」2013年6月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:西川 淳
■会社概要
ポルシェは1931年に設立され、本社所在地はドイツのシュトゥットガルト・バーデンヴュルテンベルク州にある。従業員数は2007年現在で1万2202人、代表はマティアス・ミューラーCEOだ。
主要株主はフォルクスワーゲン。生産拠点はツッフェンハウゼン工場、ライプツィヒ工場、ヴァイザッハ研究所など。子会社に男性アパレルブランドのポルシェデザイングループを持つ。
日本での販売は1997年までミツワ自動車が輸入総代理店として担当。1997年からはポルシェジャパン(1995年設立)が担当。日本市場はポルシェにとって北米に次ぐ世界第2位の市場。
いっぽう、フェラーリは1947年に設立、イタリアのマラネロを本拠地としている。
代表となるのはセレブリティとしてイタリア社交界にも顔の広いルカ・コルデーロ・ディ・モンテゼーモロ会長。従業員数は2007年現在で2926人。主要株主はフィアット、ムバーダラ開発(UAE)など。子会社にはフェラーリファイナンスなど。
日本での販売は長年コーンズアンドカンパニーリミテッドが担当していたが、2008年より現地法人であるフェラーリ・ジャパンが設立され、複数の販社が正規代理店契約を結んでいる。
■2012年の売上高と営業利益
ポルシェの2012年1~12月の通期決算によると、売上高は対前年度比26.9%増となる138億6500万ユーロ(約1兆7275億円)を記録し、営業利益は対前年度比19.3%増の24億3900万ユーロ(約3040億円)と売上高、営業利益ともに過去最高を記録している。
フェラーリの2012年1~12月通期決算では、売上高は対前年度比8%増の24億3300万ユーロ(約3020億円)、純利益は対前年度比17.8%となる2億4400万ユーロ(約300億円)となり、いずれも過去最高を更新している。
先ゆきがまだまだ読めない不透明なこのご時世に両社ともに過去最高益を達成。
ブランドの強み、ここに極まれりといった感もあるが、それだけ世界中のクルマ好きたちから愛されているということの何よりの証拠なのだろう。
■2012年の世界新車販売実績
ポルシェの2012年世界新車販売台数は対前年度比22.3%となる14万3096台を販売、過去最高となる台数を記録している。
車種別ではカイエンが対前年度比30%増の7万7822台、さらに新型に切り替わった911も同48.8%増の2万6203台を記録したほか、ボクスターとケイマンも同4.1%増の1万174台を販売。パナメーラのみ同3.1%減となる2万7731台にとどまった。
これに対し、フェラーリの2012年世界新車販売台数は対前年度比4.5%となる7318台を記録。
フェラーリは車種別の台数を公表していないため、市場別の数字をみていくと、北米市場で対前年度比14.6%増の2058台と2012年全体で世界最大の販売台数を記録。
中国市場では同4%増の784台を販売したものの、伸び率として鈍ってきている。日本市場では同14.4%増の302台を販売している。また、中東とアフリカ市場では同4.5%増の556台だった。
欧州市場では、地元のイタリアが同46%減となる318台にとどまっている。これはギリシャ情勢を発端にした欧州信用不安がイタリアにも波及していることが原因のようだ。
ドイツは同8.2%増の750台、イギリスが同20.4%増の673台、スイスが17.4%増となる357台を販売。
両社ともに過去最高益だっただけあり、一部の例外を除いてはほぼ対前年度比増が続く結果となった。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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