自動車、モビリティ企業のマッチングを目的に15日に開幕した「ジャパンモビリティショー ビズウィーク2024」。日本自動車工業会に参画する14社による共同展示では、最新のカーボンニュートラル車両や技術が展示された。二輪車メーカーのヤマハ発動機は、1月の東京オートサロンに初出展し話題となった4輪の電気自動車『DIAPASON(ディアパソン)C580』を出展、小型バギーのような外観から注目を集めていた。

「DIAPASON C580」は、ヤマハが現在研究開発中のパーソナル低速モビリティ向プラットフォームコンセプトの1台で、2人乗りの電動モビリティだ。主に畑や不整地などでの用途を想定しており、軽量・コンパクトな設計で取り回しがしやすく、優れた電費も実現するという。車体後部に搭載するバッテリーは、ホンダの「Honda Mobile Power Pack e:」で、バッテリーそのものを交換することで充電をおこなう。

ヤマハのDIAPASONシリーズは、様々な企業や自治体とのコラボレーションにより、地域や用途に合わせたモビリティを追求するプロジェクト。東京オートサロンへの出展後には様々な企業や自治体から問い合わせがあったという。プロジェクトでは実際にプロトタイプ車両を現地に持ち込み、使用してもらうことで使い勝手や仕様を検討、常にアップデートを続けている。今回のC580は、農場での実証実験から、「気軽に農地に入っていける乗り物が欲しい」「軽トラックよりもかっこいい乗り物に乗りたい」といった農業従事者からの意見をカタチにしたものだ。

3月に開催された「第15回国際スマートグリッドEXPO 春」では、車体が黄色く塗装され、いわゆるカスタムカーのようなタイヤを履き、スポーツシートを備えるなどスポーティなイメージで広がる可能性を見せた。今回のジャパンモビリティショーでは、ホワイトと淡いパステルグリーンに塗装され、タイヤも不整地向けのものに履き替えられていた。この新カラーは実証実験として市場投入された電動スクーター『E01』と共通するもので、ヤマハの電動車両のイメージカラーだという。

また、操作面にも改良が加えられ、ライトやホーンなどの物理スイッチや、充電ソケットが助手席側(車両右側)のダッシュボードに追加されていた。「今回はより現実的な形にアップデートした」とヤマハ担当者が説明する通り、いずれも、実際に使用した声をフィードバックしたものだ。

ヤマハは今回のショーでも「カーボンニュートラルの実現に向けて、新たな共創パートナーを見つけることが目的」としており、2025年の実用化に向けてラストスパートをかけるねらいだ。

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