スポーツモデルを中心に何かと最近採用例が多い素材であるカーボン。「ここがカーボンで出来ていて…」なんてトークはクルマ好きの間で良く聞く話だ。しかし、カーボンが使われていることのメリットは一体どこにあるのだろうか?今回は新ためて、カーボンを使うことのメリットやデメリットなどに注目してみよう。

文:西川 昇吾/写真:ベストカーWeb編集部

■カーボンの特性はクルマ造りにとって夢の素材?

軽さというのはクルマにおいてかなり重要なのだ

 多くの人が知っている有名な話が、「カーボンは軽くて丈夫」だろう。まず、軽さだ。アルミでボディ構造を作った場合、カーボン製に比べて20~30%、鉄の場合は50%重くなると言われている。それだけカーボンならば軽く作ることが可能なのだ。

 また、丈夫という面は多方面に対して言える。鉄に比べて剛性が高いのはもちろんのこと、耐腐食性や耐熱性、疲労強度といった部分に関してもメリットがあるのだ。

 クルマは軽ければ軽いほど燃費や走行性能にメリットを与えるし、燃費性能などのエネルギー効率も良くなる。

 また、剛性が高くなることは、ハンドリングが乗り心地にいい影響をもたらすし、カーボンを使えば長寿命にもなるのだ。クルマにとって良い事が多い素材と言える。

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■昔よりは量産性に優れるように

昔はF1カーなどにしか使用されていなかったとか

 そんな夢の素材でもあるカーボン。各自動車メーカーも注目していて、生産コストを抑えるために、様々な創意工夫がこれまで行われてきた。そのため、以前に比べたら量産性も優れたものになった。

 以前は1000万オーバーのスーパースポーツにしか採用されていなかったが、最近はより価格帯の低いモデルにも採用されている。

 また、BEVモデルが増えてきたことにより、BEVモデルでの採用も普及している。これはBEVではバッテリーで重量が重たくなってしまうという理由が大きい。

 車重が重たくなってしまうBEVだからこそカーボンを使おうという考えが用いられているのだ。

 しかし、ICEやHEVなどのエントリーモデルや大衆モデルにまでカーボンパーツは普及していない。これはコストが思ったより安くなっていないという面もあるだろうが、それ以外の問題点があるからだ。

 それはリサイクルに関してである。

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■普及していないけどまだまだ発展途上

一般車にもカーボンが使用される日が待ち遠しい

 今や自動車の開発において、生産から使用、そして廃棄に至るまで、自動車の一生を考えた環境配慮が必要とされる時代だ。

 そんな時代の中で、まだリサイクル性が確立されていないカーボンを多用するのは、時代に沿っていないという考えもあると言えるだろう。

 近年、自動車の素材としてアルミの採用が広がっているように思えるが、思ったほどカーボンのリサイクル性が確立されなかったので、アルミに再びシフトしている印象だ。

 ただ、カーボンに関してもリサイクルの方法や技術への研究開発が行われている。スーパー耐久のQクラスでは、マツダとスバルが共同開発した端材を利用したカーボンパーツを装着するなどの開発が行われているのだ。

 自動車のパーツとしては、まだまだ進化の途中と言えるカーボン。これからどんな風に「扱いやすい素材」として進化していくかに注目したいところだ。

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