名古屋ボデーが日野プロフィアFWをベースに大型平ボディを製作。徹底的な錆対策と、精密機器である積み荷を安全に運ぶためのこだわりが詰め込まれた至極の一台をレポートする。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2024年9月発売「フルロード」VOL.54より
錆対策と安全性にこだわった大型平ボディ
名古屋ボデーは、その名の通り愛知県名古屋市に本社を置く車体架装メーカー。創業は昭和37年(1962年)で、長年に渡って平ボディをはじめとするオーダーメイドのトラックボディを手がけてきた。
今回製作した大型平ボディは、富山の新規ユーザーの依頼で製作。融雪剤の影響で錆の進行が早い雪国で少しでも長く運用したいというユーザーの要望に応え、車体各部にステンレス製パーツを採用しているのが特徴だ。
ユーザーの富南急送(富山市)は医薬品容器輸送や発電施設用の冷却器/冷却装置輸送に強みを持つ運送会社。冷却器/冷却装置輸送を担う大型平ボディには、錆対策だけではなく、精密機械である積み荷を安全に運ぶためのこだわりも詰め込んでいるという。
ベース車両は日野プロフィアの車両総重量25トン級4軸低床総輪エアサスシャシーのフルキャブ/ハイルーフ車型「FW」を採用。4軸低床、総輪エアサス、ハイルーフは担当ドライバーのリクエストで、富南急送として初採用になるそうだ。
ワンオフパーツ満載の特別な荷台
荷台は5方開のアオリ付き平ボディで、荷台寸法は内法長9400mm×内法幅2380mm。縦根太を通常より薄くする「低床仕様」を採用し、床面地上高は約1メートルになっている。
この荷台の最大の特徴は、やはり錆対策だろう。縦根太、横根太、サイドの床枠、アオリなどは鉄やアルミ製だが、そのほかの部品はほぼステンレス製。ここまでステンレスパーツを使っている車両は、錆対策が盛んな北陸でも珍しいのではないだろうか。
仕様面もこだわり満載だ。床面は、精密機器である冷却器/冷却装置をどこに積んでもしっかり固定できるよう、埋込式フックやスタンション穴を多数用意。ロープフックも多数搭載する(素材はもちろんステンレス)。
鳥居はステンレス製の骨格にアルミ製縞板を張った特別なもので、背面に6パネル、左右に各1パネルのキー付き防水収納を完備。一般的な鳥居よりも背が高いため、追加の補強を入れて強度アップも図っている。
収納もこだわり満載で、リアオーバーハングのリン木入れは本体をアルミ製、ドアをステンレス製として錆対策を徹底。後ろの工具箱は、そもそも錆を心配しなくてもいい樹脂製とした。
このほか、垂下げ式フェンダー、丸型サイドバンパー、リアパネル、アオリヒンジ、ガセット補強、リア支柱など、とにかく車体全身にステンレス製パーツを採用。ワンオフパーツも多く、見どころ満載の一台となっている。
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