現行型クラウンは歴代のクラウンと比べてもその大きすぎる変化は良くも悪くもかなりの反響を呼んだ。特にディーラーではその最前線も見て来たようだ。しかし、最初こそは賛否両論があったもののいざ発売されるとその声は一転したと言う。
※本稿は2024年9月のものです
文:ベストカー編集部/写真:トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年10月10日号
■16代目クラウンへの反響と購買層
「『こんなのクラウンじゃない!』という声も当然ありました」と語ったのは、関東のあるトヨタディーラー関係者。
しかし、「街中で見かけて『カッコいい!』と感じ、ディーラーに足を運ぶ方も多かったです。特にスポーツは来店してみて『これクラウンなの!?』と驚かれる方もいました」という。従来型とのギャップは、次第に受け止められてきているようだ。
また、中部地方のあるトヨタディーラー関係者は「従来クラウンを扱っていたトヨタ店系列だけだと、販売台数は先代の約70%程度。しかし全系列の合計では約130%まで売れゆきが伸びている」と答えた。
「クラウンをこれまで検討していなかったユーザーにもクラウンが選ばれるようになり、逆に従来ユーザーもハリアーやアルファードなど別の上級車種を選択肢に入れるようになった」と分析した。
どんな層がどのモデルを買っているのかについては、
「クロスオーバーは60~70代のユーザーが中心。下取りも従来型クラウンが6割程度です。一方スポーツのユーザー層はそれよりやや若め。約7割が他メーカー車を含むクラウン以外からの乗り替えです。セダンは従来型からのユーザーがほぼ8割で、法人需要も根強いです」という。
クラウンは自身が変わっただけでなく、支持層も変化し、広がりをみせている。
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■実は大健闘!? 先代クラウンの販売成績は?
「CROWN BEYOND」と銘打ち、ユーザー層の若返りを目指した先代クラウン。ファストバック的なシルエットやニュルブルクリンクで鍛えたシャシー性能が注目を集めた。
発売された2018年の月販平均は5700台を上回り、翌2019年も平均3000台を売り上げた。しかし、マイナーチェンジや特別仕様車の設定、さらには東京地域以外で全販売店系列での併売が始まるなどトピックも多かった2020年、月販平均は1800台水準まで低下した。
新型コロナウイルスの流行による景気後退の影響を考慮に入れても、クラウンのシェア減少は突如として急激に進んだといえるだろう。
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