日産エクストレイルの北米版であるローグが、三菱アウトランダーのPHEVシステムを搭載するという報道が相次いでいる。えー日産ってe-POWERをPHEV化するんじゃなかったの? それって日本にも入ってくるの?

文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車、三菱自動車、ベストカーWeb編集部

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■2025年に北米で三菱製PHEVを積むローグがデビュー!?

日産ローグ(ロッククリーク エディション)

 プラグイン・ハイブリッド需要に応えるため、PHEVシステムを自社開発するとの報道もある日産。ところが10月に入って、正反対と思われる報道がなされている。エクストレイルの北米版であるローグに、兄弟車である三菱アウトランダーのPHEVユニットを活用するというのだ。

 この報道について北米日産は、「2025年版ローグにPHEVモデルを投入する。このモデルにはアライアンス先である三菱自動車の技術が使われる」とコメントしているようで、搭載は確実な様子。アウトランダーのPHEVシステムは最近アップデートされたばかりで、100km超のEV走行も可能となった。ローグに積まれれば確かに即戦力となるはずだ。

 それにしても納得いかないのは、日産は得意のシリーズハイブリッド「e-POWER」をPHEV化しないのかということ。

「後発でe-POWER版PHEVが出るのでは?」とも思えるが、一つのモデルに2つのPHEVを用意することはコスト的にも難しい。現行ローグは三菱製PHEVで押し切る可能性が高いと言わざるを得ない。

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■e-POWER版PHEVも開発継続中!

三菱アウトランダーのPHEVユニット。マイチェンでEV走行の距離も100km超まで延びた

 こうなった背景だが、日産がいかに北米市場の回復を急いでいるかの表れだといえる。日産は2024年4~6月期に北米市場が赤字に転じ、前年同期比99.2%減という衝撃的な減益を計上した。この状況を一刻も早く打開するために、市場が求めているPHEV投入に三菱とのアライアンスを活用したと予想する。

 はたしてこのPHEV版ローグだが、日本にも導入されるのだろうか。現時点では、その可能性は小さいといえる。アウトランダーと思いっきり競合するし、日本市場では現行e-POWERモデルの評判が悪くないためだ。

 いっぽうで肝心のe-POWERのPHEV版だが、日産のアイデンティティを守るうえでも開発は続いているとみる。北米ローグに搭載される可能性は少なくなったが、他のモデルに積まれてデビューする可能性が高い。

 その登場時期だが、今回のローグPHEVモデル投入を考えると2025年の登場はなさそう。日産が2024年3月に発表した経営計画「The Arc」などと照らし合わせても、2026年度末までに満を持して発表すると予想する。

ちなみにThe Arcにおける北米戦略は以下のとおりだ。

・地域全体の販売台数を2023年度比で33万台増加させ、米国では統合型カスタマーエクスペリエンスに2億米ドルを投資
・米国とカナダで、7車種の新型車を投入
・米国で乗用車モデルラインアップの78%を刷新し(日産ブランド)、e-POWERとプラグインハイブリッドを搭載したモデルを投入

 上記2項目目の「7車種の新型車」の中に、確実にe-POWERのPHEV版が含まれるというわけだ。

 e-POWERのPHEV版が登場すれば、日産復活の大きな起爆剤となることは間違いない。活気に満ちた日産の姿を楽しみに待ちたいものだ。

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