鈴木サミット実行委員会は11月17日、和歌山県海南市内で「第8回鈴木サミット」を開催する。海南市は鈴木姓の発祥の地だとされる。スズキの二輪・四輪で来場した人へのステッカーの配布など、全国の鈴木さんのために企画が用意されている。
鈴木サミットは、海南市が全国176万人と言われる鈴木姓のルーツであることから始まり、2013年まで一部の鈴木姓関係者のみで細々と開催されていた。その後、海南市で人口減少・高齢化が進む中で、市を盛り上げるため今年(2024年)からの復活となった。内容もリニューアルし、全国に向けて「鈴木」をアピールする。サミット当日は市内の様々な場所でイベントが開催され、鈴木姓でなくともだれでも参加できる。
「鈴木姓」が全国に広がった歴史的な経緯は、熊野信仰を広めるため、鈴木氏が海南市を拠点に全国へ移動したことにある。四輪・二輪メーカーのスズキの創業者も、そういった鈴木姓のひとりだったのだろう。そこで、全国に移動していった鈴木姓とスズキ車ユーザーが「移動し、繁栄していく」ことを祈念し、サミット当日以降、実行委員会が製作した「鈴木大躍進」ステッカーを、道の駅「海南サクアス」において、スズキ製の二輪・四輪で来た人に配布する。
前回の鈴木サミットでは、スズキの鈴木修会長兼社長(当時)が基調講演を務め、スズキは鈴木屋敷の復元も支援したという。
第8回鈴木サミットは11月17日に、海南保健福祉センターをメイン会場に開催される。当日は(1)藤白の獅子舞演舞、(2)関東藤白鈴木会活動報告、(3)栃木県佐野市「佐藤の会」による佐藤グッズの紹介・ゆるキャラの交流(さのまる・海にゃん)、(4)博報堂クリエイターによるパネルディスカッション『鈴木屋敷を話題化するための鈴木グッズの提案』、(5)キャイ~ンのウド鈴木と鈴木このみによる応援メッセージ上映が実施される。
海南市は全国有数の名字「鈴木さん」のルーツとされる。海南市の国指定史跡「藤白王子跡(現・藤白神社)」にある鈴木屋敷は、平安時代末期に熊野から移り住み、藤白を拠点として全国に熊野信仰を広めた藤白鈴木氏の邸宅だ。日本中に信仰を広める中で、各地に住み着いた鈴木さんや、熊野の神様を祀る人が鈴木を名乗るなどして鈴木姓が増えていったとされる。
全国の鈴木姓の宗家である藤白鈴木家は、平安時代前期から中期の貴族、鈴木基行(865~926年)が始祖であり、1942年に第122代当主鈴木重吉が亡くなったことで断絶した。鈴木氏が代々居住した鈴木屋敷は空き家となり、老朽化が進んでいたが、2023年に補助金やクラウドファンディング、全国の鈴木さんや企業からの寄附により復元された。
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