ジャパンタクシーを既に何度も利用している人も多いと思うが、2つのグレードがあるのをご存じだろうか。上級グレードは匠(たくみ)、ベースグレードは和(なごみ)と呼ばれているが、両者の違いは快適さにも少し影響している。両者の見分け方や、その違いを解説していこう。

文/佐々木 亘:写真/トヨタ ほか

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■アイディアぎっしりのジャパンタクシー

2017年に登場したトヨタ JPN TAXI(写真は「和〈なごみ〉」)

 従来までのタクシーの代表的な車種だったクラウン・コンフォートもまだ現役で走っているが、タクシー乗り場に両方並んでいた時、できればジャパンタクシーに乗りたいと思ってしまう筆者。

 乗りやすいし快適だし、何と言ってもジャパンタクシーに潜んでいるたくさんのアイディアを見つけるのが、筆者がタクシーに乗る際の楽しみでもある。

 例えば、しっかりと塗り分けられた運転席エリアと客席エリアは、おもてなしの雰囲気を感じるし、助手席のヘッドレストが格納式になっているのもイイ。修理コストを下げるための3分割バンパーも素敵な考え方だ。

 窓の大きさやピラーの太さ、ドアの開口部やシートの高さに座面長など、ジャパンタクシーだからできる、こだわりの部分が数多くある。

 一度だけではもったいない。何度も乗って、ジャパンタクシーの良さを肌で感じてほしい。

■結構レアかも? 上級グレード匠を見つける方法

上級グレード「匠〈たくみ〉」の象徴である天井サーキュレーター

 ジャパンタクシーには2つのグレードが用意されている。標準グレードが和(336万7100円)で、上級グレードが匠(359万2600円)だ。その差は22万5500円もあり、匠のほうが何かと嬉しい装備も多い。

 例えばリアガラス。和でもスーパーUVカット+IRカット(リアクォーターガラスはUVカット)となるのだが、匠になると遮音性ガラスが使われる(リアクォーターガラスは厚板ガラス)。さらに匠の室内には、天井サーキュレーターが付いているし、リアシートヒーターだって完備されるのだ。

 さすが22万円お高いグレード。充実の車内装備である。ただ、車両導入コストが高いので、なかなかお目にかかることはできない。たまたま乗ったジャパンタクシーに、サーキュレーターやシートヒーターが付いていたら超ラッキー。その日は良いことが続くかもしれないぞ。

■外から見分けるポイントはホイールとドアハンドル

匠のサイドビュー。外からわかる違いはホイールとスライドドアのドアハンドルだ

 乗車前にグレードを確認したいという人は、装着されたホイールとスライドドアのドアハンドルを見ると良い。匠はスポーク数が多い樹脂製のフルキャップがホイールについており、ドアハンドルはメッキだ。

 また、フロントバンパーがシルバーではなくブラック塗装になっているのも匠のポイント。よく見るとヘッドライトがBi-BeamのLEDになっており、リアピラーにランプも付いている。フェンダーミラーカバーがメッキになっているのも特徴的だ。

 外観を見逃した人は、内装でも判断可能となる。シフトレバーのゲート部分にメッキ加飾があるのかないのか、内装色がこげ茶(黒琥珀)か茶(琥珀)か、先に上げたシートヒーターやサーキュレーターの有無で見分けるのもいいと思う。

 ボディカラーは両グレードとも、深藍・ブラック・スーパーホワイトの3色から選ぶことができるので、ココでの見分けはできない。パッと外観で見分けるのも少し難しいから、乗ってみてから内装装備で判断し、匠だったらニヤッとするのも悪くないだろう。

 日常生活の中で、私たちの大切な足となってくれるジャパンタクシー。匠・和ともに良質なおもてなしを受けられる良いクルマなのは間違いない。ただその中で、「これが匠か」と悦に浸る時間が生まれるのも面白いと思うのだ。

 次回タクシーを利用する際は、ジャパンタクシーのグレード当てを、是非やってみてほしい。

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