ベストカーでもお馴染みのKONDOレーシング。日産自動車大学校、日産メカニックチャレンジがサポートする56号車は今季はやや苦戦している。性能調整に泣きつつも好成績を収めてきたが、ハンディウエイトありの「幻の最終戦」では予選から悪い流れが……。

文:ベストカーWeb編集部/写真:塩川雅人

■すべての流れは予選での不運から始まる

決勝日は晴れ。ただ「流れ」を考えるとなかなか難しい週末でもあった

 仕事にしてもプライベートにしても「流れ」というものを感じる人も多いだろう。ひとつのことが上手くいけば、とんとん拍子で物事がポジティブに進む。

 逆にちょっとでも躓くことがあれば、その後もどこか歯車が狂ってきてしまうのが世の常だ。もちろん強靭なメンタルやフィジカルでそれを跳ね除けるケースもあるのだが、なかなか難しいところ。

 モビリティリゾートもてぎで開催されたスーパーGT第8戦。本来ならばシーズン最終戦となるが、今年は鈴鹿が延期になったこともあり珍しい最終戦を残したもてぎとなった。

 予選で56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rの不運は始まる。予選1回目、オリベイラ選手のアタック。豪雨のなかタイヤを温めいよいよタイムアタック。

 その時になんと豪雨で足元を掬われた1台がスピン。この時点で赤旗が提示されて予選は終了。あと1周というようなタイミングだっただけに、まさかまさかの予選となってしまった。最終的なグリッドは21位。

■決勝ではレイトピットインで勝負に出る

アグレッシブなオリベイラ選手。性能調整には納得できずも100%のマシン性能を出し切る

 決勝は晴天。スタートドライバーは佐々木大樹選手。スタート時は大きな混乱がなく近藤監督の「離れるな」という無線が響く。

 なかなかオーバーテイクが生まれにくいもてぎだが、やはりオーバーテイクのきっかけはピットタイミングになる。

 63周で争われるこのレース。全体の1/3となる21周目を消化するとピットイン可能となるが、56号車はなかなかピットインしない。チーム関係者によれば佐々木選手のペースがよく、そのまま引っ張るストラテジーを組んだという。

 ピットインして4輪タイヤ交換。満を持してオリベイラ選手にバトンを繋ぐ。ここからは着々と順位を上げていくオリベイラ選手。この辺りはまさに勝利の方程式。

 最終的には8位でフィニッシュ。予選結果が最終的な決勝結果にまで影響してしまった。逆を言えばここまでのポテンシャルを秘めていた訳で、あの予選さえなければ……と思ってしまうもの。

 それでも8位フィニッシュはなかなかのリザルトだ。まさにレースは人生の縮図。ダメな「流れ」の時もいかにいい結果に持っていくかが大切だろう。鈴鹿最終戦はいかに?

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。