純正イメージを崩さない取り付けはラゲッジのみならずコクピットにも反映されている。関さんのレクサス『RX450h』のフロントにはモレルの3ウェイを投入し取り付けはあくまでもスマート。北海道のAUDIO VISUAL SECURITY FISTが上質インストールを実践した。
◆オーナーもお気に入りのAピラーの加工
ツイーター&ミッドレンジを美しく収める
レクサスのインテリアデザインを大きく変更すること無く高音質オーディオをインストールすることを狙った。モレルのELATE CARBON PRO 63Aのツイーター&ミッドレンジをインストールしたAピラー。
ツイーターはリスナー側へ大きく角度を付けつつ、ミッドレンジはダッシュの中央側に振ることで中高域サウンドのバランスを整える。純正然とした取り付けを望んだオーナーの関さん、前編でお伝えした通りラゲッジは大きく加工すること無く、ほとんどのユニットをフロア下に設置することになった。今回紹介するコクピットまわりにも高級感のあるレクサスの室内をスポイルしない、上質なインストールが施されているので注目した。
オーナーのお気に入りとなったポイントのひとつはAピラーだ。取り付けユニットにはモレルのフロント3ウェイスピーカーであるELATE CARBON PRO 63Aをチョイスしているのだが、Aピラーにはミッドレンジとツイーターをインストールする。やや大型のグリルを備えた中高域の2つのスピーカーユニットを収めるために、ピラーは大きく加工されるが見て取れる。
ミッドレンジはダッシュ中央側に向けたスピーカー取り付け角度を採用。一方のツイーターはリスナーに正対させる角度付けを施して高域の情報量のスポイルを少なくしているのがわかる。サウンド面で最適化しつつ、デザイン的にも収まりの良いインストールとしている点が秀逸。コクピットの中で存在感満点のAピラーが完成した。
◆ドアのアウターバッフルはあくまでも純正風
サウンド性能を追求しつつデザインはシンプル
ドアにはELATE CARBON PRO 63Aのミッドバスをインストールする。純正デザインを崩さないアウターバッフル化がテーマになった。ドアのスピーカー取り付け部を見るとグリル部分に角度が付いているのがわかるだろう。アウターバッフル化して角度付けを実施した。シルバーのリングに人工スエードの外周処理を施して、その内側にスピーカーを設置。アウターバッフルとは思えない仕上がりだ。ドアにはELATE CARBON PRO 63Aのミッドバス・ユニットがインストールされているのだが、これが、よく見るとかなり手が込んだ取り付けとなっているので注目してみた。アウターバッフル化してスピーカーの振動板は露出させているのだが、ありがちなアウターバッフル形状とはひと味違う。純正のグリルを用いているのでデザイン的にもプロテクション的にも純正イメージを残しているのだ。
しかし、スピーカーまわりをよく見てみるとシルバーのトリム部分の内側には人工スエードの外周処理を施し、さらにその内側にスピーカーをしっかり角度を付けてインストールするという、かなり手の込んだ上質な取り付けが実施されているのがわかる。高音質を引き出すのに加えて「ドアの純正デザインを崩さない」というオーナーのニーズを見事に反映した取り付けとなった。
レクサスRX450hの純正ドアのデザインを見たことが無いユーザーであれば、これが“純正デザイン”であると信じてしまうほどに完成度は高い。オーナーの思いがインストールデザインにストレートに反映された結果と言うことだろう。
◆ダイレクターの取り付け位置などで
使い勝手の良いコクピットを追求する
コクピットは大きく加工すること無く上質感をキープするのがオーナーの願い。それだけに大胆な加工は抑え気味だ。センタークラスターの下部にはダイレクターを取り付けるパネルをワンオフ。内装デザインにフィットする形状とした。オーディオプレーヤーにはウォークマンのWM1シリーズをチョイス。高音質なシステムに高精度な音声信号を送り込む。コクピットのデザインで大きくイメージが変わっているのはミッドレンジ&ツイーターをインストールしたAピラーだけ。他の部分はあくまでも純正デザインを尊重したシックな仕上がりとしているのもオーナーの望んだところ。しかしサウンド面と使い勝手の良さは妥協しないのもオーナー流。そんな思いが込められた各部を見てみよう。
センタークラスターの下部にはスペースに合わせたパネルをワンオフしてヘリックスのダイレクターをビルトイン取り付け。レザーで処理した周辺パネルなど、純正インテリアとの違和感の無いフィッティングで唐突さを感じさせない取り付けとしているのも見どころ。
またオーディオプレイヤーには音質重視でウォークマンのWM1シリーズをメイン機として採用。こちらはDAPのホルダーを使ってシンプルな取り付けとして、操作性や視認性もしっかり確保しているのもオーナーならではのこだわりだ。
サウンド面ではオールジャンルが楽しめるナチュラルでクセのない方向性を目指し、同時にデザイン面ではレクサスのインテリアを尊重したシンプルでスマートなインストールにこだわった関さん。見事にその両方を実現し、最上のサウンドと狙い通りのデザインが完成して、その満足度も最高潮となっている。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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