トヨタへ電動SUVをOEM供給すると発表したばかりのスズキが、間髪入れずそのOEMのベース車両を公開した。これまで「eVX」と呼ばれていたプロトタイプが、「eVITARA(eビターラ)」としてヴェールを脱いだのだ。おおビターラといえばエスクードの輸出名! そしてうれしいことに日本導入も決まってるのよ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:スズキ
■スズキこだわりの4WDモデルもあり!
11月4日、イタリアのミラノで、スズキが突如電動SUV「eビターラ」を公開した。このクルマはそもそも、2023年1月にインドで開かれたオートエクスポ2023に「eVX」として出展されたクルマ。同年10月のジャパンモビリティショーにも改良版が展示されたから、ご覧になった人もいるだろう。
ヴェールを脱いだ「eビターラ」だが、エクステリアはほぼeVXそのまんま。フロントマスクこそややおとなしいデザインにアレンジされているが、全身にみなぎる力強さや踏ん張り感がそっくり残っている点はうれしい。
ボディサイズだが、全長4275mm、全幅1800mm、全高1635mmでプロトタイプよりも25mm短く、35mm高くなった(横幅は同寸)。従来のエスクードが全長4175mm、全幅1775mmだったから、わずかに長く、広くなることになる。
プラットフォームは「HEARTECT-e」と呼ばれるBEV専用品。これまでの経緯を考えると、トヨタの電動プラットフォーム「e-TNGA」をベースに、スズキが独自のアレンジを加えたものと想像する。
パワートレインはモーターとインバーターを一体化したeアクスルに、安全性や長寿命で定評があるリン酸鉄リチウムイオン電池を組み合わせている。FFに加えてスズキ入魂の4WDモデルが設定されており、EVといえどもハイレベルの悪路走破性を備えているようだ。
モデル構成だが49kWhと61kWh、2つのバッテリー容量があり、前者はFFのみ、後者にはFFと4WDが設定される。パワーは49kWh版のFFが106kW、61kWh版はFFが128kW/189Nm、4WDが135kW/300Nmだ。
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■トヨタ版はbZ2Xとしてデビューか?
eビターラは、インドのスズキ・モーター・グジャラートで2025年春から生産が始まるという。インドは欧州や中東、アフリカなどに近く、スズキはここを電動車両の一大拠点に育てるようだが、すでに日本への導入も明言されている。
デビューの順序は、電動化の進む欧州が先になるだろうか、遠からず日本でもその姿を目にすることができるだろう。
もう1点、冒頭でも触れたとおり、このeビターラのトヨタ版が登場するという点も注目だ。2023年末、トヨタはeVXそっくりのコンセプト「アーバンSUVコンセプト」が公開しているが、こいつがeビターラのOEMとして登場することはほぼ確実だ。
どんな市販車になるかだが、約4.3mという全長はヤリスクロスの後継としては大きく、カローラクロスの後継としては小さい。トヨタOEM車はこの2台の中間を埋める新型車として登場するはず。具体的にはbZ4Xの小型版「bZ2X」としてデビューすると思われる(※bZ3Xはすでに中国で発表済みのため)。
小さなEVは「いかに手頃な価格を実現するか」が極めて難しく、トヨタもスズキのコスト低減の力を借りてクルマを生み出すことになった。もともとe-TNGAのアライアンスにはダイハツも含まれているから、eビターラのプラットフォームからはダイハツ版も派生してくるだろう、
電動化によって自動車メーカーの合従連衡が勢いを増してきた。今後も各社が力を出し合った力作に期待しよう。
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