都市部の路上でみかける「パーキングメーター」。駅前など比較的便利な場所に設置されていることが多く、路上に駐車できるとあって、便利なパーキングメーターですが、稼働している時間以外の時間に利用したいとき、駐車してもいいのか迷ってしまいますよね。はたして、パーキングメーターが使えない時間帯にパーキングメーターの枠内に駐車することは、違反となるのでしょうか。

文:エムスリープロダクション、吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_U4/写真:Adobe Stock、写真AC

パーキングメーターは「駐車場」ではない

 パーキングメーターは、道路交通法第49条の規定に基づいて、時間制限駐車区間内に設置されている駐車が可能な区画のこと。手数料(駐車場ではないので駐車料金とはいわない)を支払うなど、定められた制限に従うことで、60分や40分、20分などの短時間の駐車が認められます。チケットを発給するパーキングチケットが設置されている箇所もあります。

 短い時間ですむ荷物の積み下ろしや人との待ち合わせ、ちょっとした買い物など、ユーザーの利便性を考慮して、短時間に限って各都道府県の公安委員会等が駐車を認めているもので、コインパーキング(時間貸し駐車場)とは違って駐車できる時間に制限があり、たとえば、60分までのパーキングメーター等で60分を超えて駐車をすると駐車違反となります。たとえ2回分の手数料を納めても、2回分の時間停めることはできません。

 また、直ちに先払いの手数料を投入せず、パーキングメーター等を起動させなかったり、枠内にクルマが収まっていないなど、正しく駐車できていない場合も、駐車違反となります。パーキングチケットの場合、発給されたチケットをクルマに掲示していない場合も違反となります。パーキングメーター等は駐車場ではなく、コインパーキングとは似て非なるものなのです。

クルマを枠内に停めるとパーキングメーターが感知。表示が0分になっていることを確認して手数料を支払うことで利用することができる(PHOTO:写真AC_キャラメルhanabi)
手数料を納めて発券されたチケットをクルマに掲示しておくパーキングチケットが設置されている箇所も(PHOTO:写真AC_そいうーたん)

ほかに駐車禁止の規制がなかったり、駐車禁止の場所でなければ、時間外に停めても違反にならない

 では、パーキングメーター等が稼働していない日や時間帯に駐車したい場合は、どうなるのでしょうか。この場合、パーキングメーター等の規制以外に駐車禁止の規制がない箇所で、かつ長時間駐車に該当しなければ、駐車違反とはなりません。

 ただ、たとえば、一方通行の道路で、道路の右側にパーキングメーター等が設置されている場合、このパーキングメーター等の箇所に駐車をすることは、道路交通法第47条の2で規定されている「車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」に違反する行為となるので注意が必要。パーキングメーター等は、指定されている時間に限って、いわば例外的に認められているものであり、指定された時間以外は基本的な交通ルールに従う必要があるのです。

 もちろん、(パーキングメーター等の指定する時間以外の時間において)駐車が禁止となる標識が設置されていたり、交差点や横断歩道から5メートル以内などの道路交通法において駐車が禁止されている場所も、パーキングメーター等の稼働時間以外に駐車することはできません。

 また、道路上にあるパーキングメーター等においては、自動車の保管場所の確保等に関する法律の第11条の2で規定されている「道路上の同一の場所に引き続き12時間以上(夜間は8時間以上)駐車することとなるような行為はしてはならない」というルールも守る必要があります。

この標識のように、パーキングメーターの時間帯以外の時間は駐車が禁止されている場所では、パーキングメーターの時間以外は駐車をしてはならない(PHOTO:Adobe Stock_ FUIRU)

長時間になるおそれがあるときはコインパーキングを!!

 このように、パーキングメーター等を利用する場合には、指示されている内容に従うとともに、ほかの規制標識等もしっかりと確認し、禁止されている内容を理解する必要があります。便利な場所に設置されているパーキングメーター等ですが、短時間の予定であっても、長時間になるおそれがあるときは、コインパーキング等を探すようにしてください。

短時間の予定でも、長時間になるおそれがあるときは、コインパーキング等を利用するようにしよう(PHOTO:写真AC_これこれ)

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