カワサキが国内仕様の「KLX230/S」を正式発表。2024年11月27日に59万4000円で発売されることになった。さらにトレッキング仕様の「KLX230シェルパ」を同時発売することが初めて明らかに! KLX230Sをベースに専用の装備&外装でアウトドアムードが漂う1台となっている。

     

KLX230/SとSMだけじゃない、なんとシェルパも追加される!

 2023年秋のジャパンモビリティショーでデュアルパーパスのKLX230が初公開され、翌1月にスーパーモタードのKLX230SMが発表。国内での登場が待ち望まれている中、ついに日本仕様の詳細が正式発表された。

 KLX230とシート高をダウンしたKLX230Sは2車ともに11月27日、59万4000円で発売(KLX230SMは別記事で紹介)。この発表に合わせ、KLX230 SHERPA(シェルパ)が世界初公開された。こちらはカワサキモータースジャパンが11月5日、SNSで公開したティザー動画で示唆していたモデルで、価格は63万8000円。こちらも11月27日に発売される。

 既にKLX230/SとSMは海外で先行販売され、今秋の発売がアナウンスされていたが突如、派生モデルのシェルパまで追加されるという嬉しいサプライズになった。

 KLX250シェルパはライバルより軽い車重134kgが光るトレッキングバイク。2020年にセロー250が生産終了して以来、同様のキャラクターのモデルは途絶えているが、その後釜になる可能性がある。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

     

今や貴重な空冷シングルは規制に適合しながら低中速トルクを強化

 まず3車に共通するエンジンから見ていこう。4ストロークSOHC2バルブ空冷232cc単気筒は旧型をベースにしながら、大きくメスを入れた。

 主眼を置いたのは低中速域のトルク向上だ。ボア×ストロークは従来型と同じ67.0×66.0mmで、排気量も233ccのままだが、吸気ポートを小径化し、吸気バルブをφ37→33mmに変更。エンジンの前で大きく曲がっているエキゾーストパイプはフレームの下側に届くほどまで延長されている。

 さらにECUのセッティングを最適化し、日本国内の排出ガス規制に適合しつつ、低中回転域のトルク特性をアップ。バランサーと大きめのフライホイールマスにより扱いやすく粘り強い特性を発揮する一方、高速道路での巡航走行も快適にこなす。

 従来型は最高出力19PS/7600rpm、最大トルク1.9kgm/6100rpmだったのに対し、新型は18PS/8000rpm、1.9kgm/6400rpmに変更。パワーは若干ダウンし、高回転化されているものの、トルクはキープしている。

 

 

 

 

車体はレーサー譲りのアルミアームやロングサスが魅力

 セミダブルクレードルの高張力鋼ペリメターフレームは従来型をベースに、シートレールを新設計。従来より位置を下げることでシート高を低くしつつウレタン量を増加させ、足着き性と快適性をアップした。加えて、シート高を増やすことなくサスストローク量を増加させている。

 レーサーKLX230R譲りのアルミスイングアームも新型のポイント。従来のスチール製より1.2kgの軽量化され、デザイン性も高い。STDの車重は従来から1kg減の133kg。Sはサスなどの軽量化で3kg減の133kgとした。

 サスもリニューアルされ、前後ともホイールトラベルが増加している。STDはφ37mm正立フォークのホイールトラベルを220→240mmに、リヤは223→250mmにアップ。オフロードの走破性やトラクションが向上している。また新型ではリヤのイニシャルが無段階に調整可能となった。

 さらにABSは前後ブレーキともキャンセルが可能に。本格的なオフロード走行にも対応できる。

 ディメンションも変更され、より立ったキャスター角と少ないトレール量を採用した。従来型のキャスター/トレールが27.5度/116mmなのに対し、新型KLX230は25.2度/101mm、Sとシェルパは24.6度/96mmに変更。軽快なハンドリングに貢献している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STDとSはシャープさを増したデザインに

 外装に関しては、旧モデルの雰囲気を受け継ぎつつ、大きく変更された。ラジエターシュラウドはKXシリーズのデザインを取り入れ、一段とシャープ化。サイドカバーはフロント部分をカットして面積が小さくなっている。それに対してサイレンサーカバーは大型化され、ヘッドライトのカバー部分もデザインが変更されている。

 

 

 

 

 

 

Sとシェルパはシート高35mm減で足着き性が良好だ

 KLX230Sは前後サスストロークを抑え、シートの肉厚を減らしたことで、シート高を35mm減の845mmにダウン。足着き性を高めたモデルだ。

 ホイールトラベルはSTDの240mmに対して200mmに、リヤは250→223mmに。従来型の前158mm、後168mmに比べると大幅にアップしており、オフの走破性が高まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

シェルパは数々の専用装備でアウトドアギアの雰囲気!

 KLX230シェルパの車名は、同社のトレッキングバイク「スーパーシェルパ」を意識しているのは確実だろう。1997年に発売されたスーパーシェルパは、KLX250の水冷249cc単気筒を空冷化して搭載。低速で粘り強い出力特性や低めのシート高を与えられ、ヤマハのセロー225らと同カテゴリーのトレッキングバイクとして愛された。

 排ガス規制の影響もあり2007年モデルで生産終了となったが、ついにシェルパの車名が復活となった。基本構成はローシートのKLX230Sに準じるが、専用の外装と装備でよりマルチツール的なデザイン。街でも都会でも似合うスリム&シンプルなイメージだ。

 また黒いアウターフォークを採用するほか、フレーム&スイングアームの塗色をシャンパンゴールドとし、STDと差別化を図っているのもポイントだ。

 

 

 

 

 

 

KLX230/S/シェルパ 主要諸元(2025年型 国内仕様)

・全長×全幅×全高:2090/2080 × 845 × 1170/1140mm【2080×920×1150mm】 
・ホイールベース:1370/1365mm【1365mm】
・シート高:880mm/845mm【845mm】
・車重:133kg【134kg】
・エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 233cc
・最高出力:18PS/8000rpm
・最大トルク:1.9kgm/6400rpm
・燃料タンク容量:7.6L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=2.75×21、R=4.10×18
・価格:59万4000円【63万8000円】
【】内はシェルパ

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/419231/

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