東京都青梅市のTCNスポーツパーク永山で11月16日、「青梅宿懐古自動車同窓会2024」が開かれ、昭和の時代に製造された旧車約130台がエントリーした。
昭和レトロな街並みを残す青梅市が毎年この時期に開催している「青梅宿アートフェスティバル」とのコラボイベント。地元の青梅クラシックカークラブ(松永栄代表)が事務局となって運営している。
参加規程は“懐古自動車(レトロカー)”で、昭和の時代に製造・販売された国内外の2輪・4輪車等。マナー違反やトラブルを避けるため事務局が把握できる範囲での許可制となっており、要は限られた会場スペースの確保と違法改造車の締め出しという苦肉の策でもあるが、「落ち着いた環境」と参加者に評判。もちろん、見学は大歓迎だ。
今回のエントリーは約130台。毎年協力しているクラブは多く、「イスズスポーツ」(東京都羽村市)関連の『117クーペ』、『ベレット』や、常連組のスズキ『ジムニー』も新旧のモデルがずらりと並んだ。
そのイスズスポーツの岡根浩二代表が乗って来たのはいすゞ車ではなく、2代目日産『レパード』。埼玉県から初めてこのイベントに来たという4人家族の小学2年生と5歳の男児はこのクルマを見て大喜び。テレビドラマ『あぶない刑事』に登場したレパードが好きになったという。2人とも運転席に座らせてもらい「やっぱり本物もかっこいい!」とはしゃいでいた。
興味深かったのは、スズキ『フロンテクーペ』(1973年)と『セルボ』(1980年)の並び。いずれもオリジナルデザインはG・ジウジアーロ作といわれる、スタイリッシュな軽だが、360ccの旧規格車と550ccの新軽規格車を並べると大きさをはじめとしてかなり異なるのが分かる。
このフロンテクーペは4人乗りの中期型。兄が乗っていたものを引き継いだという「家族ワンオーナー車」。3連キャブのエンジンはピーキー過ぎるため触媒を付けて下のトルクを出して乗りやすいようにしているという。セルボは初期型の、ほぼノーマル車。初めて買ったのがセルボで、いったん手放した後に程度の良いこの個体をまた購入したというセルボ好きオーナー。こちらはもともと低速から乗りやすいクルマである。「今は体の一部みたいで、しっくりきています」と今も満足そうだった。
初代の日産『シルビア』(1965年)で初参加したのは、36歳のデザイナー。オーストラリアにあったらしい個体を今年1月に入手し、2か月前にナンバーを取ったばかり。やはりこの美しいデザインに惹かれての購入だったという。「不具合を直していると、通りすがりのオジサンがあれこれと昔のエピソードを話してくれて楽しいです」と笑った。
このほか、最近やっとみつけた通称“ヒトデ・ホイール”を装着してカタログと同じオリジナル状態となったといういすゞ『ピアッツア・イルムシャー』(1989年)や、こちらも各部がオリジナルの状態で残された、希少なトライアンフ『ヴィテス』コンバーチブル(1968年)、今も普段の足として走らせている60年前のいすゞ『ヒルマンミンクス』(1964年)など、見事に手入れされた名車が並んだ。
この日は恒例となった市街地への自由パレードなども行われるなど、色づき始めた山に囲まれて参加者たちは旧交を温めながらのんびりとした1日を過ごしていた。
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