WILLER EXPRESSは、広島~福岡・佐賀線(運行会社:祐徳自動車)において、12月1日(日)より「広島バスセンター」への乗り入れを開始する。また、他路線において好評の4列シート「Prime」を導入し、さらに便利で快適な移動を提供する。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■「広島バスセンター」への乗り入れを開始
「広島バスセンター」は広島市の中心部である紙屋町に位置し、世界遺産の原爆ドームにも徒歩圏内にあるため、利便性が高い繁華街である。また本路線は広島バスセンターと小倉駅(昼行便)および佐賀駅を結ぶ初の路線となり、広島と九州を結ぶ移動手段の選択肢が広がる。今回の乗り入れにより、広島市中心部からのアクセスが容易になる。
より車内での快適な空間を提供するため、これまでの4列シート「Relax(リラックス)」から、昨年デビューし他路線でも好評の「プライム」にアップグレードする。プライムは大型カノピーやスマホホルダー、可動式パーテーションなどを設置した4列シートで、夜間でもスマートフォンを気兼ねなく使用できる。また3列シート「Comodo(コモド)」とのコンビ車両のため、ニーズに合わせてシートを選択できる。
■かつてはミリオン号が中国道経由で走った
この路線は佐賀県を拠点とする祐徳自動車が運行することにより、西鉄天神高速バスターミナルに乗り入れができた快挙にマニア界隈ではざわつかれた。博多バスターミナルへの乗り入れはあっても天神だけは西鉄の牙城なので、西鉄がかまない路線での乗り入れはあり得ないと思われていたからだ。
天神乗り入れが実現したこともすごかったが、広島バスセンターにも乗り入れることにより、福岡・広島間はかつてのミリオン号(西鉄・広島電鉄の共同運行いずれ当時)とほぼ同じ路線になったということもできる。当時は山陽自動車道が全通していなかったことから、中国道の湯田PAで宿泊待機の運転士が交代するという1名乗務をしていた。
中国道経由では時間がかかりすぎ、そのために北九州市街地には停車しない路線だった。よってウィラーの本路線は北九州市街地と広島市街地を結ぶ高速バスとしては初となる。ミリオン号は山陽新幹線で1時間程度の距離を中国道経由で数倍の所要時間をかけるのは現実的ではないと乗客が定着せず、廃止されてしまった経緯がある。
■弾丸0泊3日には夜行往復がおススメ?
ミリオン号は日野・西工スーパーハイデッカー独立3列シートの専用車が両社とも用意された。3列なので居住性は悪くはなかったものの、中国道のカーブやアップダウンが気になったのは事実だ。本路線はもちろん、山陽自動車道を経由するので所要時間は広島バスセンターから小倉駅を経由しても天神まで6時間を切る。
ダイヤは昼行1往復、夜行1往復の2便が出る。夜行は下り福岡県内到着と、上り広島市内到着が4時~6時台と早朝なので利用できる層は限られるかもしれないが、往復を夜行にすれば日帰り(0泊3日車中2泊)で滞在時間がかなり長く取れるので弾丸旅行にはおススメだ。
せっかく佐賀駅バスセンターまで行くのだから、九州有数のパワースポットである祐徳稲荷神社へ行ってもいいだろう。ちゃんと祐徳バスが佐賀駅バスセンターで接続しているので、1時間30分ほどかかるが広島から1回乗り換えで到達できる。
■東京からなら寝台+新幹線+バスを堪能でマニアック?
3列シート部もあるので、東京から思いっきり乗りバスと乗り鉄で福岡に向かおうとすればサンライズと新幹線に昼行便との組み合わせるダイヤが良さそうだ。 全部バスでも乗り継げないことはないし、福岡行きのはかた号もあるが堪能するならばいろいろ乗りたい。
下りは東京から21時50分発のサンライズに乗り、岡山でみずほ601号に乗り継げば広島に7時25分に到着する。下り昼行便の広島駅新幹線口発のバスが8時ちょうどなので十分に間に合う。西鉄天神高速バスターミナル到着が13時50分だ。福岡に1泊して安くて美味しいご飯を食べて、デジタル版の福岡市内6時間券で路線バスに乗りまくるのも一考。
上りは西鉄天神高速バスターミナル11時10分発の昼行便で広島駅新幹線口に17時15分。時間はあるので広島バスセンターまで乗車して、ゆっくりお好み焼きでも食べてお土産を買いこんでも良い。広島21時25分発のさくら572号に乗れば、岡山で30分の待ち合わせでサンライズにゆっくり乗り継げる。明朝7時8分に東京駅だ。
あくまでも乗り物に乗りまくるための机上の旅程なので、ゆっくり観光する時間は考慮していないが、個室寝台に新幹線に高速バスの3列シートならば、(マニア的には)思いっきり堪能できる旅になるかもしれない。機会があれば記者もこの行程で楽しみたい。
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