AIを搭載したEVミニバン『X9』、800kW(!)もの超高速充電設備による秒速1km以上の充電を年内に実現すること、AIを活用した“新種”のモビリティを新ブランドとして立ち上げるなど、今回の北京モーターショー(Auto China 2024)でも数々のサプライズを発表した人気ブランド「XPENG(シャオペン)」。

シャオペンは広州に本社を持つスマートEV企業で、中国市場では新興メーカーだ。「テクノロジーに精通した中流階級の消費者という大規模かつ成長を続ける基盤にアピールするスマートEV」(シャオペンの公式サイトより)を開発、製造、販売する。先進運転システムをはじめとする主要車載システムを自社開発できる強みを活かし、先進的なモビリティを提案、一躍人気ブランドとなった。

XPENG(北京モーターショー2024)

CEOのシャオペン氏は、「次の10年はスマート車両の『黄金の10年』となるでしょう。スマート車両の進歩の中核は、新しい業界標準として台頭している自動ソフトウェア導入をどのように運用するかです。今後を見据えてXPENGは、XPENGモデルに統合されたAIを活用した機能の路上テストを展開する予定です」などと語り、スマートEVがAIテクノロジー応用の先駆者となりつつあること、自動車業界は「ソフトウェア デファインド ビークル(SDV)」から「AI デファインド カー」への新たな転換点にあるとした。

AIによってクルマは自動運転の実現をはじめ、「より人間らしい、自己学習型のスマートモビリティ体験を実現する」という。そんなシャオペンが見せた一台のコンセプトカーが、「文字通りの空飛ぶクルマ」である『エアロHT(AeroHT)』だ。

XPENG AeroHT (北京モーターショー2024)

近未来的でいかにもコンセプトカー然とした車体の屋根には、大きなボックスが装着されており、飛行時にはまさに“変形”という感じでここから4本のアームとプロペラが登場。超大型のドローンのように飛行が可能だという。日本などで発表されているような「走ることもできるヘリコプター」ではなく、れっきとした空飛ぶクルマだ。

そしてこのエアロHTは、ただのコンセプトではなく2024年第4 四半期に先行販売が開始される予定だというからさらに驚きだ。現在は耐空証明取得に向けて動いているという。シャオペンは「ユーザーは飛行の容易さと楽しさを享受できるようになり、飛行文化が徐々に醸成されていくことになります」と断言する。

スマートEVで先をいく中国、次は「空」をねらうか。

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