フェラーリの各パーツは他ブランドに比べて非常に高い。ヘッドライトユニットだけでモデルによっては3桁万円になるケースもある。ジャンクパーツを生業にする人にとっては、足を向けて寝れない存在だろう。当然のごとく海外に目を向けると…様々なパーツが販売されているようだ。

文:古賀貴司(自動車王国) 写真:ベストカー編集部

■本物のフェラーリのボディが販売される

ジャンクパーツとは思えないほど状態が良さそうな458イタリアのボディ。500mぐらい離れてみたらクルマに見えなくもない?

 中国の大手Eコマースサイト、アリババで面白いもの販売されている、と話題になっている。なんとフェラーリ458イタリアのボディが“丸ごと”売り出し中なのだ。

 販売元は広州佳豪超跑汽配有限公司と漢字だと若干仰々しいが、“広州のスーパーカー部品屋”を意味するようだ。

 同社を検索してみると部品屋は部品屋でも、広州でジャンクヤードを営む会社で様々な事情で廃車処分になったクルマを解体し、使えそうなパーツをアリババで販売しているようだ。

 458イタリアのボディについては「本物保証:フェラーリF458イタリアの純正中古ボディで、完璧なフィット感と最適なパフォーマンスを保証します」と謳われている。コピー品ではなく、あくまでも中古純正品ということ。

 さらに読み進めてみると「458イタリア、スペチアーレ、スパイダーを含む様々なフェラーリモデルに適合するよう設計されています」と謎な記載もある。

 自動翻訳もしくはAI原稿による限界なのだろうか? “一部パーツは流用可能”だったら理解できるが…、さすがに当該ボディをスパイダーにするのは技術的、心理的ハードルが高い。

 また、最低注文数2個(2台分?)という不可解な条件も付されていて、某お笑い芸人風に言うと「ちょっと何言ってんのかわかんない」状態である。

■本物ならば実は値段は適正とも言える

商品はあくまでもボディのみ。当然補器類などはすべて取り除かれた状態となっている。

 商品写真を詳しく見てみるとボンネットフード、バンパーカバー、ボディパネル各種、フェンダー、リアデッキリッドに大きな損傷はなさそうで、ガラスの良好なようだ。

 価格は送料別で2万7700ドル(約415万円)。一見、高額に思えるが決して法外な金額ではないだろう。

 新品なら、フロントのバンパーカバーのパーツ一式だけでも100万円は超える。

 ただ返品できないリスクを考えると、おいそれと手を出せる品ではないのも事実。その点、レプリカ車両製作だったり、中古部品を用いた家具やオブジェ作りだったりのDIYには適しているだろう。

 同社が取り扱うそのほかの出品物を漁ってみると、ランボルギーニ・ガヤルドのフレームも販売されている。

 こちらも最低注文数2個となっているが、そもそもフレームを前後で切断しているので1台分なら最低注文数を満たすのだろうか? 使い道はパッと思いつかないが、1個2500ドル(約38万円)ならお買い得に思えてくる。

■他にも気になる自動車関連部品が販売中

カーボンで作られたウルスのエンジンカバー。これはこれで商品として十分通用するのではないだろうか。

 個人的には高級車のシートが気になってしまう。例えば、ベントレー ミュルザンヌのシートが一脚1400ドル(約21万円)、アストンマーティン ラピードのシートが一脚1410ドル(約21万円)という具合なのだ。

 このシートに台座を付ければ、椅子として快適な時間が過ごせそうだと妄想している。また、ランボルギーニ ウルスのカーボンエンジンカバーが850ドル(約13万円)なのも破格だろう。

 ウルス・オーナーでカーボンエンジンカバーをオプション選択しなかった人には狙い目ではないだろうか? 

 筆者はオブジェとして壁に飾ってもいいかな、とまた妄想している。部品一つ一つがしっかり設計だけでなくデザインされているからこその美しさだな、と感心もしている。それにしても同社には様々な高級車の部品が揃っている。

 中国の繁栄をうかがわせるものだし、どういう事情で廃車処分になったのか気になるところでもある。

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