カローラですら3ナンバーという時代だが、かつてクラウンにセドリック/グロリアなどの高級サルーンも5ナンバーであった。にもかかわらず妙に大きく見える!! という人も少なくないハズ。とくに430セドリックなんて大柄に見えるが、これまた5ナンバー!! 一体なんでデカく感じるのか!?!?!?
文・写真:ベストカーWeb編集部
■昔は5ナンバーがキホン!! 3ナンバーは税金が超絶高かったのだ
日本では乗用車は大きく2つに分けられており、小型乗用車(5ナンバー車)と普通乗用車(3ナンバー車)という風に、ボディサイズや排気量によって区別されている。
厳密にいうと全長4.7m、全幅1.7m、全高2.0m以下で、総排気量は2000cc以内であれば小型乗用車となり、どれかひとつでもこの数値を上回ると普通乗用車ということになるワケだ。
今の自動車税は排気量によってのみ分けられており、どんなにボディサイズが大きくても搭載されているエンジンの排気量のみで税額が決まる。だが、平成元年に改正がなされるまでは搭載エンジンの排気量が小さくても3ナンバーサイズのボディとなるだけで税金がハネ上がっていたのである。
そのため、改正以前は一部の高級車やスポーツモデルのみが大排気量エンジンと3ナンバーボディを持っており、それ以外の量販車種は5ナンバーサイズを死守していたのだ。
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■これはデザインの妙!? 430セドリックが3ナンバーじゃないってマジかよ
そんな5ナンバーを死守していた時代のモデルで、にわかにはそうとは信じられないほど堂々とした雰囲気で大きく見えたのが、セドリック/グロリアだろう。
とくに昭和の刑事ドラマでおなじみだった230~430型までのモデルは、一部の大排気量モデルはモール類で3ナンバーサイズボディとなっていたものの、本来のボディサイズは5ナンバーサイズを死守していたにもかかわらず、非常に大きく見えたのだ。
その理由はなんといってもデザインの妙で、フロントマスクが逆スラントノーズとなっていることでボンネットが長く見える点や、リアやサイドが角ばったデザインとなっていることが原因と言えるだろう。
逆に現在のクルマは空気抵抗の問題もあって流線形のデザインを採用することが一般的なので、そこまで大きく見えないということもあるかもしれない。
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■デカく見えるけどこれまた5ナンバー!! ハイエースがあのサイズのワケ
この現象は街中を現在も走り回っているハイエースやキャラバンの標準ボディを見てもらえれば納得できると思うが、これらの車両も標準ボディは5ナンバーサイズ(商用車なので4ナンバーサイズ)に収められているのだ。
これは商用車の場合、4ナンバーサイズを超えてしまうと1ナンバーとなり、高速道路の料金が上がってしまうというデメリットがあるためなのだが、限られたサイズで目いっぱい荷室空間を確保しようと角ばったデザインにすると大きく見えるという見本と言えるだろう。
今は乗用車においてはボディサイズの自由度が増したことで5ナンバーサイズに固執する車種も減っているが、制限があったころの方が各社試行錯誤をしながらデザインをしていた感があり、面白く思えるのは筆者だけではないのではないだろうか。
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