ビッグモーターが再スタートを切った。同社の中古車事業を引き継いだ伊藤忠商事を核とする企業体が、まったく新しい組織としてビジネスをスタートさせたのだ。新しい会社の名前は「WECARS(ウィーカーズ)!

文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ写真=J_News_photo@Adobestock)

■いい資産を受け継いで中古車ビジネスを再スタート

ビッグモーターの店舗網や人材については評価する人も多かった(J_News_photo@Adobestock)

 パソコンでいうなら、ハードウェアはそのままにソフトウェアを刷新したというところだろうか。修理費の水増しや街路樹の伐採といった不祥事がニュースとなった中古車販売大手のビッグモーターが、新たな経営陣の元でスタートを切った。新たな会社名は「WECARS」という。

 不祥事発覚後のビッグモーターは一時経営が危ぶまれる状況だったが、全国の店舗網やそこで働く人材などは評価すべきという声も多かった。

 そこで2023年11月、伊藤忠商事とそのエネルギー部門を担う伊藤忠エネクス、企業再生ファンドのJWPが共同でビッグモーターの資産査定に乗り出し、2024年3月には正式な買収を発表する。この時点で表向きにはビッグモーターの名前が消え、「株式会社ジェイ・ケイ・エイチ」が発足した。

 今回の動きはその延長戦上にあるものといえる。「株式会社ジェイ・ケイ・エイチ」が新たな会社「WECARS」としてスタートし、正式に中古車ビジネス事業を再スタートさせたのだ。

 いっぽう旧ビッグモーターはいまだに融資弁済や損害賠償などを抱えている。こちらについては別会社「BALM」を存続させ、そういった債務を解消させていくという。

 もちろんWECARSには、ビッグモーターの創業家などは一切関係していない。新たに就任した役員を見ると伊藤忠商事の執行役員のほか、元消費者庁長官や元最高検察庁の次長検事、弁護士らが名を連ね、厳粛なコンプライアンスのもとで新会社の経営に臨もうとしていることが分かる。

 電動化、ソフトウェア化が進む自動車社会の中にあって、今後は中古車ビジネスも形を変えていくことになるだろう。新たな船出となった新生ビッグモーターの今後に注目だ。

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