ホンダのNT1100に、クラッチ操作を自動制御するホンダ E-クラッチ搭載車が登場するという情報をキャッチ! 2024年末のEICMA、通称ミラノショーで正式発表されるという噂だ。CBR650RやCB650Rの2024年モデルに搭載されることで話題の最新機構だが、CRF1100L系ツインエンジンへの採用は初。実現すれば、同系パワーユニットを持つホーク11などへの導入も期待できる!?

  文/Webikeプラス  

発進から変速、停止までクラッチ不要の新機構を搭載?

 国内では、2022年3月に発売された大型スポーツツアラーがNT1100だ。

 

 

 アドベンチャーモデルのCRF1100Lアフリカツインと同系の1082cc・水冷直列2気筒エンジンを搭載し、低速から豊かで幅広く使えるトルクと、高回転までスムーズに回る特性を実現。

 可変式の大型ウインドスクリーンやアップライトなライディングポジションなどにより、街乗りから長距離ツーリングまで、幅広いレンジで扱いやすさや快適性を実現するモデルだ。

 

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 そんなNT1100の最新モデルに搭載されるという噂があるのが、ホンダ E-クラッチ。前述の通り、2024年6月13日に発売予定の新型CBR650RやCB650Rにタイプ追加されることで(通常のMT仕様車も設定)、大きな注目を集めている世界初の新機構だ。

 最新の電子制御技術により、最適なクラッチコントロールを自動制御するのがこの機構だ。大きな特徴は、MT(マニュアル・トランスミッション)車ながら、発進、変速、停止などでクラッチレバーの操作が一切不要なこと。

 また、通常のMT車のようにクラッチレバーを操作したい場合には、機能の作動中でも手動によるクラッチコントロールができたり、機能をオフにすることも可能。幅広いライダーのニーズや疲労軽減、高い安全性などに貢献するという。

 

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現行モデルに採用するDCTとどう違う?

 ちなみに、現行モデルのNT1100では、トランスミッションに、「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」を標準装備するが、仮に、ホンダ E-クラッチ仕様車が登場した場合、操作や乗り味などに、どんな違いが生まれるのだろうか? 

 

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 DCTは、一連の変速操作を自動化するAT(オートマチック・トランスミッション)機構のこと。2016年に、CRF1100Lアフリカツインへ初搭載し、その後、レブル1100やNC750Xなど、さまざまなモデルに展開。こちらもホンダ独自の機構だ。

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 DCTでは、クラッチレバーだけでなく、シフトペダルによる変速操作も基本的には不要(CRF1100Lアフリカツインなどには、オプションでシフトペダルも用意されているが、NT1100には未設定)。ホンダ E-クラッチが、機能オン時に変速操作を行う際も、シフトペダルのアップ/ダウンが必要な点とは異なる。

 もちろん、DCTでも、4輪AT車のパドルシフト的な機能はあり、左ハンドルにあるスイッチで、シフトのアップ/ダウン操作は可能。ただし、例えば、バイクはやっぱりクラッチとブレーキ、アクセルを駆使して乗りたいといった、昔からのバイクファンの好みには対応していない。

 さらに、ホンダE-クラッチは、クイックシフターのような使い方もできる。クラッチだけでなく、アクセルを一旦戻すような操作なしに、シフトのアップ/ダウンを可能とする。そのため、例えば、ワインディングなどで、スポーツライディングを楽しみたいライダーが、手動による通常のマニュアル操作をしたい場合にも対応。加速や減速時に、自分のタイミングで変速操作ができるため、マシンを自在に操る感覚を味わえる。

日本導入は2025年か?

 そんなNT1100のホンダ E-クラッチ仕様車だが、おそらく本年末のEICMA2024で正式発表され、日本導入は2025年になることが予想される。

 

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 通称ミラノショーと呼ばれる欧州の一大2輪車見本市がEICMA。例年、11月に開催され、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキをはじめ、世界各国の大手2輪メーカーが最新モデルを展示するのがこのショーだ。

 CBR650RやCB650Rのホンダ E-クラッチ仕様車の場合も、2023年11月のEICMAで世界初披露され、日本では翌2024年の発売となったし、ほかの最新モデルでも、近年はこうしたスケジュールを採るケースが多い。

 そう考えると、NT1100の新型も、同様に、2024年にミラノで世界発表、翌2025年に日本発売となるのかもしれない。

 また、CBR650RやCB650Rの場合も、MT仕様のスタンダード車に、ホンダ E-クラッチ仕様車をタイプ追加していることから、NT1100でも、DCT仕様とホンダ E-クラッチ仕様の2タイプが設定されるはずだ。

 おそらく、AT車として、クラッチレバーやシフトペダルの操作がなく、より快適な走りを求めるならDCT仕様車。MTとATのいいところ取りを味わいたいユーザーなどには、ホンダ E-クラッチ仕様車といった選択肢が生まれるだろう。

 ちなみに、価格なども現時点では不明。現行モデルは税込み169万4000円だから、新型NT1100ホンダ E-クラッチ仕様車も、近い価格帯か、多少アップした値段となることが予想できる。

 

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ホーク11への搭載にも期待したい!

 さらに、もしNT1100ホンダ E-クラッチ仕様車が実現するとすれば、将来的には、同じCRF1100L系ツインエンジンを搭載するモデルへの採用も期待できる。例えば、ホーク11。ロケットカウルなどの装備により、カフェレーサー風スタイルを実現したロードスポーツモデルだ。

 

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 このモデルには、現状で、DCTなどの搭載はなく、通常の6速MT仕様車のみ(CRF1100Lアフリカツインやレブル1100には通常のMT仕様車もある)。もし、ホンダ E-クラッチを採用した仕様が追加されれば、スポーティな走りだけでなく、街乗りや長距離ツーリングなどで、より疲れにくく、快適な乗り味も堪能できるはずだ。

 

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