札幌市役所=貝塚太一撮影

 札幌市教育委員会は24日、市立あいの里東中学校の女性教諭が4月、友人関係や家族状況、学校生活における配慮事項など1年生267人の個人情報が入ったファイルを体育館に置き忘れ、2~3年生の十数人が閲覧していたと発表した。1週間以上にわたって置かれたままになり、一部生徒はスマートフォンで撮影していた。市教委は「写真は削除してもらい、学外やインターネットへの流出は確認されていない」と説明している。

 市教委によると、女性教諭は4月10日、学年集会のため体育館に行き、ステージ脇の演台上にファイルを置き忘れた。12日に紛失に気付いて捜索。見つけられずにいたところ、18日になって保護者から「子どもが、個人情報の記載されている資料を体育館ステージ上で見たと話している」などと電話があり、同日ファイルを発見、回収したという。

 その後、体育館で部活動を行っている2~3年生の生徒79人に聞き取り調査した結果、十数人がファイルを閲覧していたことが判明。1年生はまだ部活動が始まっておらず、閲覧した生徒は確認されていないという。

 ファイルは、学年集会の式次第などのほか、1年生の学級編成に関係する資料十数ページが一緒にとじられており、氏名、性別とあわせて、配慮すべき生徒の気質や特性、生徒間の人間関係、家族状況などの個人情報も多数、記載されていた。

 市教委の佐藤圭一学校教育部長は「記載内容の一部は、保護者や生徒が目にすれば、不安や動揺、不快な思いをする可能性がある表現も含まれていた。心からおわびしたい」と謝罪。「重要性の高い情報は、生徒の立ち入る場所に持って行くことがないよう徹底したい」と再発防止策を挙げた。市教委は事実関係を確認し、女性教諭らの処分を検討する。【高山純二】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。