いろいろな料理で活躍する卵。購入する機会も多いと思うが、買い物袋などに入れる際にどのタイミングで詰めているだろうか。

そもそも透明な卵パックは、日本では1968年~1970年頃、エフピコダイヤフーズ株式会社(大阪市)の創業者・加茂守さんが、兵庫・猪名川町の工場で初めて開発製造したという。

提供:エフピコダイヤフーズ
この記事の画像(7枚)

そんな卵パックだが、同社の担当者によると買い物袋の下部に詰めるのがおすすめとのこと。スーパーの売り場では、卵パックを積み重ねて置いてあることもよく見かけるので、たしかにある程度の重さには強そうだ。

くしゃっとつぶれてしまいそうに見える素材が重さに耐えられるヒミツは、“八角錐形”にあるらしい。エフピコダイヤフーズの担当者に、卵パックの構造の仕組みなどをくわしく聞いてみた。

なぜつぶれない?強度のヒミツ

――卵パックはどのくらいの重さに耐えられるの?

卵パック5段積み、約3.5Kgに耐えられます(Lサイズ卵1個64~70g×10個入り=670gx5段)。

提供:エフピコダイヤフーズ

――どうして袋で持ち運んでいても卵が割れないの?

八角錐形にすることで、卵を点で支えて容器底面から浮かせております。卵が浮いている事で、直接の衝撃を受けにくいため割れにくいです。

同様に卵上部も容器に接していないため、外部からの衝撃を受けにくく割れにくい構造となっております。

品質劣化させないための工夫

――卵のとがった方が下になるようにパックに入っているのはなぜ?

卵は丸い方(鈍端)よりも鋭端の方が強度が強いからです。鋭端を下に置くことで衝撃に備えています。

またもう一つ、通常では鈍端に気室と呼ばれる空気の部屋ができますが、こちらを下にすると気室が卵内を移動してしまい、品質劣化を早めてしまうと言われています。

これらのことから、卵パックもそれに沿った設計にしています。

提供:エフピコダイヤフーズ

――開け口がシールやミシン目になっているのはどうして?

消費者の方が開けやすい構造になっています。強い力で勢いよく開いてしまって卵が飛び出さないようにミシン目やテープでの封緘(ふうかん)方法になっています。

また、生鮮品ですので早めにお召し上がりいただくため、再度封緘を希望される消費者の声も無く、再度封緘できる仕様になっておりません。

卵は上からの衝撃に強い!

――レジ袋やエコバッグに詰めるときは、どこに詰めるのがおすすめ?

あまりにも重い物をパックの上に載せる場合は別ですが、袋の上部よりも下の方がお勧めです。袋の上に置いて側面から転がる事を防ぎます。

卵自体が上からの衝撃には強いですが、横からの衝撃には弱いためです。

画像はイメージ

――卵パックで注意したい扱い方を教えて。

卵自体が横方向の衝撃よりも縦方向の衝撃には比較的強い特性があります。横方向にぶつけるとか、横方向に転がす、横方向から落とすなどの扱いには注意していただきたいです。

画像はイメージ

――消費者が知らなさそうな、卵パックの工夫はある?

現在の原材料はPET樹脂(ペットボトルの再生リサイクル原料を使用)を中間層に使い、両表面層はバージンPETの3層構造になっています。エコな製品です。

また、プラスチックの使用量を削減するためにさらに薄肉化を進めています。薄くしても割れにくい様に工夫した改良を施しています。

提供:エフピコダイヤフーズ

様々な工夫が詰まった卵パック。今まで卵が割れるのを恐れて袋の一番上にパックを詰めていた人は、下部に詰めるのを試してみてはいかがだろうか。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。