恋活・婚活マッチングアプリ「ペアーズ」を運営する「エウレカ」の山本竜馬CEO(画面中央)と連携協定を結んだ秋田県大仙市の老松博行市長=秋田県大仙市役所で2024年5月24日、工藤哲撮影

 出会いの機会や婚姻数を増やすことで人口減少に歯止めをかけようと、秋田県大仙市は24日、国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリ「ペアーズ」の運営会社「エウレカ」(東京都港区)と東北初の連携協定を結んだ。市内各地でアプリの安全性や利用方法を周知し、婚活支援を推進する。

 協定では、結婚を希望する独身男女の出会いの機会を創出し、結婚を支援する▽安全で安心なアプリの利用を推進する▽イベント開催を通じ、結婚への機運を醸成する――ことなどを盛り込んだ。

 同社は2012年にサービスを始めて以来、22年には累計登録数が2000万を超えており、同社が蓄積した情報を生かし、アプリの使い方を伝えるセミナーなどを今後企画するとしている。アプリを立ち上げて候補を探すのは料金がかからないが、アプリ上で会話する際には有料になる。

 協定の締結式に臨んだ老松博行市長によると、市の婚姻件数は2019年度には274件だったが、22年度には160件にまで減少し、出生数も19年度の348人から23年度には300人ほどに落ち込んだ。

 老松市長は「マッチングアプリを通じて出会い、結婚する方がますます多くなることを考えると、アプリを安全に使えるようサポートするのが市の務めだ」と述べた。オンラインで出席したエウレカの山本竜馬CEOは「ペアーズが安心して使えることを認識いただけるよう大仙市と肩を組みたい」と抱負を語った。

 同社によると、これまでの18~34歳の未婚者の調査で「いずれ結婚するつもり」との回答が約8割だが、交際相手を持たない人の割合は年々増加傾向にあり、21年には男性で72・2%、女性で64・2%に上った。

 独身の理由として約半数が「適当な相手にまだ巡り合えないから」と答え、積極的に交際相手を探す活動をしているのは13%にとどまる。

 マッチングアプリの利用意向の国際調査では米国や英国で50%に達するが、日本は「何となく怖い」「難しそう」「(ネットを通じない)オフラインで出会いたい」「プロフィルだけだと相手を知れない」といった理由で17%と低い。

 山本CEOは「若者の出会い方がなかなか従来通りだとうまくいかなくなっている。スマートフォン中心のコミュニケーションは従来とはまったく違うものがある」と指摘している。【工藤哲】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。