世界遺産登録へ意欲を示す(左から)松井正剛・桜井市長、森川裕一・明日香村長、山下真知事、亀田忠彦・橿原市長=奈良県庁

令和8年の世界文化遺産登録を目指して、推薦書素案が文化庁に提出された奈良県の「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(橿原市、桜井市、明日香村)。平成19年に暫定リスト入りし、素案の提出は令和2年以来、今回で4回目となった。登録推進協議会会長の山下真知事は15日、県庁で地元3市村長とともに会見を開き、「4回目の提出となったが、じっくり取り組んできたことを前向きに受け止めたい」とし、念願の登録へ意欲を示した。

同資産群については令和2、3、4年に素案を提出したが、他の遺産群と競合するなどして国内推薦に選ばれなかった。4度目となる今回は、海外の世界遺産関連の専門家を現地に招いてさまざまなアドバイスを受け、素案の内容も分かりやすく世界の理解を得られるよう充実させたという。

昨年に国の文化審議会から課題として提示された「遺跡などの保護措置」についても、藤原宮跡(橿原市)などで国史跡指定の範囲拡大を進めた。

山下氏は「いろいろな課題を乗り越えて、素案を提出できた。資産群は長い間地域の人々が守ってきたもので、奈良県だけでなく世界の人々にとっても非常に価値がある」と述べた。

亀田忠彦・橿原市長は「素案提出という大きな節目を迎え、登録に向けて県や関係機関とさらに連携を強化したい」。松井正剛・桜井市長も「世界遺産は住民の愛着と誇りを醸成し、地域活性化につながる。受け入れ態勢も万全を期したい」と話した。

高松塚古墳や飛鳥宮跡など資産群が集中する明日香村の森川裕一村長は「飛鳥・藤原は、日本がどのように生まれたかを国内外の人々がじっくり感じてもらえる場所。世界遺産として欠かせない」と意義を強調した。

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