日々、昼夜問わずニュースを追う記者たち。彼らが中でも楽しみにしているのが食事のひとときだ。インパクト大の漆黒ラーメンから日本一に輝いたピッツァまでストーリー豊かな店に記者は惹きつけられる。町の隅々まで駆け回った地元記者だからこそ知る名店を紹介したい。 

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日本一に輝いた職人が作る「ナポリピッツァ」/秋田

秋田の食といえば、きりたんぽや稲庭うどんなどが有名どころだが、地元記者がおすすめする店は、ナポリピッツァの専門店「ZECCHINI PIZZA bancarella(ゼッキーニ ピッツァ バンカレッラ)」。2023年に日本一に輝いたナポリピッツァ職人が作る本格ピッツァが味わえる。 

「生地を味わう」とされるナポリピッツァ。生地に弾力があり、モチモチした食感が特徴だ。そのピッツァが気軽に味わえる店が、JR秋田駅からほど近い秋田市の秋田市民市場にある。 

秋田の台所ともいわれる市民市場の中に店を構えるナポリピッツァ職人・大関真吾さんは、2023年3月にナポリピッツァの調理技術を競う大会で見事優勝。“日本一”に輝いた。日本ナポリピッツァ職人協会が認める「職人」でもある。 

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生地には白神山地の酵母を使用。生地を丁寧に延ばし、トマトソースにチーズ、秋田市産のバジルをのせてまき窯へ。 

シンプルな作りだからこそ、素材の質と職人の技がものをいう。 窯に入れてから、わずか90秒で「マルゲリータ・エクストラ」が焼き上がった。 

食べるときはナイフとフォークを使うのが、本場・イタリア流。ピッツァを細く切り、中心側から耳の方へくるくると丸めて棒状になったら、一口サイズに切って食べていくのが正しい食べ方だという。 「おいしさはもちろん、食べ方も含めたナポリピッツァの文化そのものを広めたい」と話す大関さん。 

新鮮な魚や山菜など、おいしいものがたくさんそろう秋田市民市場で買い物を楽しんだ後は、日本一に輝いたチャンピオンのピッツァを味わってみてはいかがだろうか。
(秋田テレビ)

《ZECCHINI PIZZA bancarella》
住所:秋田県秋田市中通4丁目7-35

“二ボラー”にたまらない!絶品煮干しラーメン/青森

青森で地元記者がおすすめするのは“煮干しラーメン”。最近、県内や全国から“にぼし系”の店を目指したお客さんの行列をよく目にする。中でも、青森市役所本庁舎の半径1㌔圏内には、人気ラーメン店がひしめくエリアがあることをご存じだろうか。

にぼし系はもちろん、味噌あり、とんこつあり、中華店の多種ラーメンとバラエティに富んでいる。そんな激戦区で、私が“ホントは教えたくない名店”として紹介するお店が、「麺屋 成天」さん。

基本メニューで店の二大柱が「あっさり」(650円)と「こってり」(700円)で、どちらも“にぼし系”ラーメンだ。「あっさり」のスープは、茶色く透き通っている。鶏がらベースにまろやかなにぼしの香りが漂う、お酒を飲んだ後の“締めの一杯”や“朝ラー”にもってこいの、昔ながらの青森の味だ。

“にぼし系”ラーメンあっさり(650円)

そして、「こってり」のスープは濁っていて、「セメント色の」と言ったら怒られそうだが、「成天」の不動のエース、一番人気のラーメンである。とにかくうまい!クセになる味、“ニボラー”にはたまらない最高のラーメン。

“にぼし系”ラーメンこってり(700円)

実は、今回私が紹介したいラーメンは「煮干しカレーオロチョン」(800円)だ!鶏白湯スープと煮干しのコンビスープに独自ブレンドのカレースパイスを投入!

辛さも5段階用意されていてお好みの辛さが楽しめる、一度食べたらやみつきになってしまった至高の一杯です。いつも“ピリ辛”を選び咽せることもなくちょうどいい。また、半ライス無料のサービスがあり、スープにインザライスも。それでいてお値段650円から800円と格安値段、コスパ最強なのだ。

煮干しカレーオロチョン(800円)

店主によると、昨今の原材料費や物流コストの高騰などの影響は受けているという。

「だからってお客さんに負担かける訳にもいかないし、なんとか工夫して努力していますよ」

この場所に店を構えてから一度も値上げに踏み切ったことなく、私みたいな少ないお小遣い制の方々には強い味方、本当に助かっている。店主が屈託のない笑顔で「でもこの先どうしてもダメなら助けてください」と話す。私は「もちろんです、いつまでもこのラーメンを食べさせてくれるなら、微力ではありますが」と答えた。

ラーメンがおいしいだけじゃないのだ。店の扉を開けるといつも店主の「いらっしゃいませ!」の元気な挨拶に、女性スタッフのきめ細かい接客が訪れたお客さんの空腹を余計に満たしてくれるのだと思う。

ニボ油葱玉

と、しめつつも、とっておきの一品を最後に。ラーメンの「しめ」にラーメンという選択もあることを伝えたい。「しめ」にぴったりなのが “ニボ油葱玉”。“煮干し油まぜそば”だ!半玉と1玉のサイズがあり、腹具合により選ぶとよい。混ぜてそのままでよし!残ったスープにつけてもよし!酢をかけてもよし!ぜひ、食べてみてほしい。

《麺屋 成天》
住所:青森市中央1丁目21-20

捕鯨基地の町で続く石巻の名店「黄金寿司」/宮城

宮城で地元記者がおすすめする店は、 創業50年を超える老舗すし店「黄金寿司」だ。 国内屈指の捕鯨基地として栄え、今も商業捕鯨の拠点となっている“クジラのまち”石巻市鮎川浜に店を構える。 

自慢はクジラ料理と世界三大漁場に数えられる三陸・金華山沖でとれた新鮮な魚介類だ。 

看板メニューは金華丼(2500円)。クジラ肉やマグロ、エビなど10種類の海鮮がぜいたくに盛られている。中でもクジラ肉の赤身はかむほどにうまみが広がり、脂を含んだ白い皮は口の中でとろける。臭みはほとんど感じないのが黄金寿司のクジラ肉の特徴だ。

金華丼(2500円)

東日本大震災の津波で店舗が全壊し、震災後は仮設商店街に移って営業を続けた。2019年からは、鮎川浜にオープンした観光物産交流施設「Cottu(こっつ)」に移り、地元だけでなく全国から訪れるリピーターを迎え入れている。  

今、店を切り盛りしているのは2代目店主の古内勝徳さん。地元自慢の海の幸を味わってもらうため、「仕入れには特に力を入れている」と話す。 

2代目店主 古内勝徳さん

6月には自慢のウニが旬を迎える。今年も忙しい夏になりそうだ。 
(仙台放送) 

《黄金寿司(こがねずし) 》
住所:宮城県石巻市鮎川浜南43-1「Cottu」内 

地元愛あふれる同級生が始めた“うまみジュワー”な肉酒場 /岩手

岩手で地元記者がおすすめする店は、地域を元気にしようと同級生4人で始めた居酒屋「肉酒場 なにもん」。『うまい肉が食べられる居酒屋』をコンセプトに2024年の2月に北上駅前にオープンした。 

店の自慢は、料理長の朝橋健太さんが和食やフレンチで修行を積んだ腕を存分に発揮する「いわて短角牛を使ったハンバーグ」1100円(税込み)。 あふれ出る肉汁と柔らかな食感、肉のうまみが楽しめる。 

短角牛を使ったハンバーグ 1100円(税込み)

代表の千田新平さんは、「元々ハンバーグ専門店からスタートしていて、地元・岩手県を発信しようと、地元の短角牛を使ってこだわって作っている」と話す。 

料理長の朝橋さんが「焼肉屋で牛タン屋みたいな牛タンを出そうと思って」と語る厚切り牛タンは客にも大好評だ。 肉の焼き加減からプロデュースした「厚切り牛タン」1430円(税込み)は、焼き方にこだわったジューシーかつ柔らかな食感でうまみがジワーッと広がる。 

厚切り牛タン 1430円(税込み)

地元の食材にこだわっている「肉酒場 なにもん」だが、店の場所選びにも地元・北上への熱い思いがあった。 

代表の千田さんは、「自分が小さい頃からあった北上駅前のビルで1階が空いていることが、地元民としてくやしいというか…。自分たちがこの1階に入ったことがきっかけで、北上市がもっと活発になったらいい」 と話す。

駅前にオープンした同級生4人の地元愛が詰まった居酒屋。仕事帰りに立ち寄ってみるのもおすすめだ。
 (岩手めんこいテレビ)

《肉酒場 なにもん》
住所:岩手県北上市大通り1-3-1 おでんせプラザ 南館 1F

ご当地三大ラーメン「郡山ブラック」漆黒はコクの証 /福島

福島で地元記者がおすすめするのは「喜多方」「白河」に次ぐ、県のご当地三大ラーメンの「郡山ブラック」。見た目ほどしょっぱくなく、深いコクにハマる人が続出。郡山を訪れたらぜひ味わってほしい一杯だ。 

創業は明治元年。変わらぬ味を提供している「ますや本店」。一日に約200杯の「郡山ブラック」を提供している。

インパクト大の漆黒のスープ。この店ではチャーシューを煮込んだ「醤油だれ」と「豚ガラスープ」を一つの寸胴で合わせる代々受け継いだ製法にこだわる。 

「伝」800円

代表の柴原久男さんは「どんぶりで合わせるよりも、寸胴で合わせた方がコクはでる。どんどん味が詰まっていって、味が濃くなるし、醤油の色も水が蒸発するので黒いスープになる」と話す。 

文化庁が地域に根付く食文化を広くPRしようと、2021年から始めた「100年フード」 。明治・大正に生み出された食文化から選ばれる「近代」部門に、福島県から新たに認定されたのが、「郡山ブラック」だ。

現在、郡山市内で「郡山ブラック」を提供しているのは約25店舗。柴原さんは「5年後、10年後、200年後まで続ける決意で、ぜひとも切磋琢磨してやっていきたい」と語った。
 (福島テレビ) 

《ますや本店》
住所:福島県郡山市台新1丁目

 

【番外編スイーツ】古民家カフェでもちスイーツを堪能 /岩手

岩手で地元記者おすすめのスイーツもご紹介。休業していた一関市の古民家カフェ「栗駒茶屋」が、4月20日から今シーズンの営業を再開した。 新商品のスイーツも登場し地元一関の餅文化を発信している「栗駒茶屋」では、和スイーツを堪能しながら歴史ある空間でゆったりとくつろげる。 

栗駒茶屋は、80年ほど前に建てられた旅館を改装しているカフェで、一関市のもち文化を広く知ってもらおうと様々なスイーツを提供している。 

冬の休業期間を経て、今シーズンの営業の再開と同時に新商品が登場。 

新たに登場したのはサクサクのパイであんこと餅を包んだ「もちパイ」(1個300円・税込み)。 中の餅は冷めてもかたくなりにくくもちもちで、あんことパイ生地とが絶妙なコンビネーション。 

もちパイ 1個300円(税込み)

そしてさくらあんやいちごあんの上にマスカルポーネチーズとイチゴをのせただんご「苺一会」(2本で700円・3本で1000円 いずれも税込み)。

いちごあんの甘さと、いちごそのものの爽やかな酸味が良いバランスだ。 

苺一会 2本で700円、3本で1000円(いずれも税込み)

運営会社のイーハトーブ東北・松本数馬社長は「伝統的な味は大切にしながらも、見せ方やで味でチャレンジすることで、一関のもち文化がますます発展すると考えている」と話す。 

栗駒茶屋では、渓流くだりに見立てた舟に糸切りだんごを盛り付け豪華にトッピングした「義経千本桜だんご」や、暑くなるこれからの季節にぴったりの県産の牛乳を使ったまるで粉雪のようなかき氷「一ノ関雪氷」も人気だ。 

栗駒茶屋は10月末まで営業する予定だ。 ※季節によって商品が変更になる場合あり。
 (岩手めんこいテレビ)

※2024年5月時点の情報です。

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