和歌山電鉄貴志川線・貴志駅(紀の川市)の初代駅長として人気を集め、2015年に死んだ三毛猫「たま」の“命日”に当たる22日、在りし日をしのぶ「9年祭」が同駅で営まれた。ファンら約100人が往事の猫駅長の活躍を懐かしんだ。
式典には、たま駅長の後継にあたる「ニタマ」「よんたま」が参列。ニタマを抱いた電鉄の小嶋光信社長が「たまの“社葬”には3000人が来てくれた。和歌山電鉄を再生しただけでなく、多くの人の心の中に住んでいたんだな」とあいさつした。
ホームにある「たま神社」では、2匹と小嶋社長が「いろいろありがとうございます。来年は10年祭なのでにぎやかにやりたい」と報告。乗客らが見守る中、神職の装束を身に付けたニタマが榊(さかき)を奉納した。海外からの観光客に人気という県内産の「和歌のめぐみ南部の梅酒」も奉納し、試飲会もあった。
「たま」のファンで奈良市から訪れた藤永涼子さん(53)は「たまは理想的な三毛猫の柄で可愛かった。何年たっても皆が訪れるのはすごい」としみじみ話した。【藤木俊治】
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